「ペットは物である」の法的認識がガラパゴス的考えになってしまっている事。

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社会的にも認知され家族の一員として無くてはならない存在になっているペット。ただ現状認知はされているのに法整備が追いついておらず、法的には「物」として扱われる事を知りました。私なりにですが、ペットを取り巻く国内環境の現状と、世界と比べたペットの価値基準についてまとめてみました。

ペットを取り巻く国内の環境

災害時の扱い

動物愛護管理法を管轄する環境省では『災害時におけるペットの救護対策ガイドライン』という冊子をウェブ上に掲載しています。
この冒頭で

『これまでの大規模災害の経験から、飼い主とペットが同行避難することが合理的であると考えられる様になってきている。しかし、同行避難のためには、飼い主の日頃からの心構えと備えについて具体的な検討が急務となっている。』

とあります。近年のペットブームによって災害時の避難時は、3.11の時のように帰宅困難になる恐れがあるため同伴を推奨しています。

しかし受け入れ先の避難所の整備は自治体任せになっており、場合によってはアレルギー持ちの人がいたりもすることから拒否されるケースもあります。その場での話し合いで解決できるかもしれませんが、人命を第一優先にした場合にやはりペットは二の次になってしまいます。

避難では自分の判断で連れて行けますが、避難ではどうでしょうか。今年9月に起きた鬼怒川氾濫で、屋根にいた救助者とその愛犬をヘリで救助した報道がありましたが、これが物議を呼びました。

救助された女性は搬送先の公園に到着後、NNNの取材に対し「本当は、犬は置いてくればよかったのかもしれないですけど、自衛隊の方に『お願いします』と言って連れてきました。子供の犬なので置いてこられなかったので…」と話し、感謝の言葉を述べた。
<中略>
そうした中、あるツイッターユーザーが「陸上自衛隊が要救助者に抱えられた犬を救助しました。ルール違反ですが意外と隊員は融通が利きます」と投稿した。
⇒ ツイートは反響を呼び、改めて自衛隊員の判断を評価する声があがったが、一方では「本当にそんなルールあるの?」という疑問の声も出た。

自衛隊員が犬も一緒に救助!これは称賛される対応かルール違反かで論議

確かにこれは自衛隊員のルール違反ではありますが、では家族同然のペットを置き去りにできるのでしょうか。何をしても叩かれてしまう日本人の器の小ささも感じてしまう出来事でした。

ペットを殺されても

次は犯罪に巻き込まれた時です。

最近の記憶で新しい出来事で言えば、池袋で起きている猫連続殺害事件や、盲導犬がフォークで刺された障害事件などです。

特に盲導犬がフォークで刺された事件では、決して何があっても鳴いてはいけないというしつけを受けている盲導犬に同情の声と、器物損壊で扱う警察の対応に各所から疑問の声も上がりました。

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「犬のこれ(事件)、罰則は単なる器物破損とかそんなもんなんだろ?」と述べ、盲導犬を刺傷させたことに対する刑罰が軽いのではないかと指摘する。さらに、盲導犬は「人間のために力を貸してる」存在だと述べ、「犬の寿命ってだいたい16年くらいあるけど、盲導犬で8年くらいになっちゃう。半分以下に。神経使うから。それを怪我させたっていうのは、人間を刺した以上の罰を与えないとダメだよ」

ビートたけしが盲導犬刺傷事件に怒り「人間を刺した以上の罰を与えないとダメ」lライブドアニュース

人に同じ行為を行えば殺人罪や障害罪となりますが、ペットの場合には動物愛護法違反や器物損壊罪程度にしか扱われません。飼い主にとってみれば家族が殺された位のショックを受けるのに対して、犯罪者の受ける罪の重みには疑問が残ります。

ペットは物扱い

日本のペットに対する現状を調べていくとペットはかけがえのない存在だという事が認知されているにも関わらず、法的には物として扱われる矛盾を感じました。また、災害時などではペットなんていいから私を助けてと言った自分本位な国民性もペットを認めがたい現状になっているのではと思いました。

では世界に目を向けた時にペットに対して特別な扱いをしているのかをみていきたいと思います。

世界のペットの価値基準

イギリス|アニマルポリス~ペット専用警察~

「日本では動物愛護が100年遅れている」と言われる位ペット先進国の国がイギリスです。

イギリスでは国王が動物好きという事もあり、ペットへの考え方が進んでいます。特徴的な活動の一つとしてアニマルポリスというものがあります。

「王立動物虐待防止協会」の中に設けられたセクションで、動物愛護に関する法律の違反を調査・摘発する、いわば動物愛護のGメン的な役割を担っています。
たとえば、「野鳥を保護した」「犬がやせている」「ハムスターを食洗機で洗っている」と言った市民からの通報を受けたら、現場に駆けつけ動物を保護し、飼い主を告訴します。

日本は動物愛護後進国

ペットの虐待なども犯罪としてすぐにさばけるように法整備もされています。

またイギリスが提案した下記5つの自由が国際的にも認められています

  • 飢えおよび渇きからの自由(給餌・給水の確保)
  • 不快からの自由(適切な飼育環境の供給)
  • 苦痛、損傷、疾病からの自由(予防・診断・治療の適用)
  • 正常な行動発現の自由(適切な空間、刺激、仲間の存在)
  • 恐怖および苦悩からの自由(適切な取扱い)

その他里親募集の猫へのマイクロチップ埋め込み義務化、引渡し時の去勢手術義務化など、無駄な命を作らない努力も国を挙げて行っています。

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