賛否両論!広島の無人島「来島」へ保護猫パークをつくる計画とは?

最近では保護シェルター・猫カフェ・地域猫等々、世界中で捨て猫や野良猫の保護活動が活発化されているのですが、中には無人島を購入して猫の保護パークを造りたいという団体もあるようです。
昨年1つの大手の猫カフェがイベントという形で声をあげたところ、かなり痛いコメントが寄せられたようです。この計画に対し世論の賛否がネット上を賑わせているのも事実です。
今回は別の猫カフェの経営者による広島県の「来島」に猫の保護パークをつくるというプロジェクト計画です。計画が一体どんな内容なのか、果たして達成できるのかなどを調べてみました。

猫の保護パークってどんなの?

「猫の保護パーク」と聞くと野良猫や捨て猫の新しい棲み家として夢のある素晴らしいものに思えます。
年間6万頭もの殺処分される猫の数を軽減するためにもシェルター以外にもぜひ保護パークがあちこちに出来ればいいと思ってしまうのですが、なかなか難しいようです。
ここでは今進行中のプロジェクト「未だかつてないねこの保護パークを無人島に作りたい!」についてご紹介します。

施設の目的

捨て猫、野良猫たちが少しでも殺処分されないために猫の保護に譲渡、飼育の啓蒙に必要な新しい猫たちの居場所を造りたいというコンセプトに基づき計画されました。仮名を「SAVE島」(命のセーブポイント)としています。
またいずれは人に対するセーブポイントということで刑務所を出所した人たちにも資質に合わせた仕事の提供をしたいと考えています。これは居場所があることで再犯防止にもつながることを期待しているようです。

発起人tamaneko hiromiの活動経歴とは

2008年に脱サラして東京都多摩市にねこカフェ「たまねこ」を開業した東京在住の女性です。NPO法人キャットセイピアの理事も務めています。
ねこカフェ事業を中心に保護猫活動、ブリーダー、猫ホテル、キャットシッターをしています。
この中にブリーダーとありますが、単に繁殖させてペットショップへ猫の販売をするブリーダーではなくペットショップの生体販売を禁止し直接ブリーダーが猫を飼いたいと思っている人に販売してその子猫の生涯に責任をもってアドバイスする飼い主さんに寄り添うブリーダーであるべきと考え「ポポキオハナ」というサイトを立ち上げ猫の販売をしています。猫のことを徹底的に考えたブリーダーであることが窺えます。
前職が求人広告の営業を10年ほどされていたところをみるととても活動的な方のようです。
子どもの頃から猫をずっと飼っており猫に対する思いが強いため世界中で横行されている猫たちの殺処分、虐待、ペット産業のずさんさなど猫を取り巻く環境の酷さに胸を痛め、何とか少しでも猫たちに楽しく快適に生きてほしいと考え様々な活動をされています。
SNSやブログを通じても情報を発信されています。

http://www.tamaneko.jp

http://www.facebook.com/obanyan

http://sweetpixy.jp/

http://popokiohana.com/

http://catsavior.com/

パークの構想案

ねこ保護パークの運営はNPO法人キャットセイピアにより行われます。
無人島である「来島」に木造3階建ての円筒の建物を建て、仕様の異なる猫の部屋(1室20匹前後入室)を10室作ります。訪れた人はこの部屋で猫たちと触れ合うことになります。時間制ではなく自由に過ごせる空間にする予定です。(サブスクリプション運営:月5000円)
猫たちの保護、譲渡会やさまざまなイベントを行う傍ら、広島の地域の方たちに出店してもらい地元の名産やお土産を提供するといった地域活性化に役立てたいと言っています。
島内はキャッシュレス、ポイント制(カードを事前に購入)を導入しビットコイン決済も可能にする予定です。
建物内のレイアウトは次のようになります。
1階が先ほどもご説明しました猫の施設とワーキングスペースになります。
猫の部屋は1部屋40㎡で10部屋がすべて仕切られています。土足厳禁になっています。
部屋にはそれぞれ目的に合わせた名称があり「漫画の部屋」「書籍の部屋」「写真集の部屋」「電車の部屋」「昭和の部屋」「フィットネスの部屋」「森の部屋」「ちーずの部屋」「ファンタジーの部屋」「VIPの部屋」となっておりインスタ映えするような空間を目指しているとのことです。このうちVIP部屋以外は部屋を自由に行き来できるようになります。各部屋10~15名くらい入れるそうです。
ここにいる猫たちはすべて個体管理され名前、血液検査、避妊去勢、ワクチン、年齢、病歴などがデータとして残り、里親さんが決まったあともフォローするとのことです。
2階は半分がカフェとレストラン、雑貨販売になっており地元の方に運営していただき特産品や名物などもご紹介、ご提供していただく予定です。
その他のスペースは猫のための診察室、老猫や幼猫、疾病猫や展示不可能な猫たちの部屋になっています。
3階はスタッフのための専用階となっております。
自然がいっぱいの瀬戸内海の無人島にとことん猫のことを考えた大きな猫カフェホールができるということですね。
また将来的には施設を大きくして保護猫頭数を増やしたり災害時のペットと一緒の避難所も作りたいそうです。

クラウドファンティングによる資金調達

今回の企画のための資金調達として「All or Nothing」方法が使われています。
どんな方法かというとプロジェクトの資金調達目標額(今回は990,000,000円)をファンディング期間中に達成すると成功としプロジェクトオーナーに資金提供が実施されますが、達成できなかったときは不成立ということで集まった資金は支援者(パトロン)へ返金されるというシステムです。
パトロンが支援する際、額により様々なリターンのコースが設定されており達成した際はそのコースに準じた権利(プレゼント)をもらうことになります。
例えば今回4000円のコースだと1ヶ月フリー券(開園後は5000円)が譲渡されるのですが、達成できなかったときは当然プロジェクトオーナーはリターンを実施しなくてもいいのです。成功報酬型、達成後支援型ともいわれています。
今回のプロジェクトの募集の終了期日が2018年3月25日の23:59となっておりますのでかなり厳しいものがあるようです。

来島ってどんなところ?

「来島」が瀬戸内海に2つあるってご存知でしたか?計画されている来島というのはどんな島なのかを調べようとするとまずは愛媛県の来島のデータがほとんどです。この愛媛の来島は有人島で歴史もある島で広島の尾道から愛媛の今治まで繋ぐしまなみ海道の下方に位置する島です。
予定されている広島県の来島はもう少し西方に位置する無人島のようです。やはり無人島ということで知る人ぞ知るということでしょうか。

場所や大きさとは

住所の表示は「広島県豊田郡大崎町大字中野字来島」となっていますが、瀬戸内海の無人島です。
地図をご覧いただくとお分かりになると思いますが、位置的にいうと尾道と呉の間という感覚ですね。
アクセスは東広島、大崎上島町、呉よりボートが出ています。不便といえば不便ですが、無人島ですから仕方がないのかもしれません。
島の大きさは100,834.80㎡(30,556坪)という小さな島です。
現在は愛知県の方の個人所有ということです。
因みにこの来島のお値段は3億5000万円となっています。

島の様子

とても風光明美なところで無人島としては最大級の大きさとなっています。
島には砂浜のビーチが2つありマリンスポーツや釣り、キャンプなども楽しめるようです。自然が多く、平坦地もあり建ぺい率の規定もなく国定公園法のしばりもないため建築物を建てやすいということです。
空気もきれいで自然がいっぱいの環境で暮らせるのは羨ましい限りですね。

無人島を保護パークにする良いところ、悪いところ

今回の無人島を猫の保護パークにするというプロジェクトを見ると夢があってきれいな空気の自然がいっぱいのところで猫たちが幸せに暮らすことを期待してしまいます。
でも良いことばかりでもなさそうです。
このプロジェクトのメリット、デメリットについて考えてみました。

メリット

何度も繰り返すようですが、無人島ということは人が住んでいないために自然がそのまま残っているので空気がきれいで人工的な汚れもなく瀬戸内海の穏やかな気候による環境の中で猫たちを飼育できるということです。
孤島であるためわざわざ訪れる人のほとんどが猫好きさんばかりで猫が嫌いという人もいないのでいじめや虐待されることもないでしょう。
パークを実現することになれば猫の管理や医療体制も整える予定となっていますから安心ですね。
そして商業的にいえば地域活性化につながることではないでしょうか。

デメリット

第一に考えるのは少なからずも自然を破壊してしまうのではないかということです。
建築物を建てるのにも重機が入り長期に渡りかなりの騒音が出ます。
無人島ですから昔から住んでいる虫や動物の命を脅かすことにもなりかねません。
平坦な場所にだけ建築するのであれば木々を倒したり破壊するといったことはないかもしれませんが、気になるところです。
また今回は島全体を保護パークにするのではないので大丈夫だと思いますが、来島の生態系を破壊することのないように願いたいです。
そしてアクセスが不便であることです。広島県の3か所からボートが出ているとなっています。
現在は来島に上陸するには島の持ち主の許可が必要なため不便になっていると思いますが、この不便さを改善する必要があります。

まとめ

無人島に猫の保護パークを作りたいという内容をご覧いただき、どのように感じられたでしょうか。
賛成の方も反対の方もいらっしゃると思いますが、日本中で殺処分になる猫たちを少しでも助けられるのであれば素晴らしい企画だと思います。
ただ実行するには巨額な資金も必要となり、またデメリットを無くすという工夫をしながら進めていく必要があります。
このプロジェクトに賛成という方は次のサイトをご覧いただいて支援者になられてはいかがでしょうか。

https://camp-fire.jp/projects/view/47559?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=google_dynamic&argument=33pKQw5N&dmai=Googlefeed

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