一緒にいると心が安らぐ猫。そんな猫には不思議な力を持っているイメージがあります。
皆さんは猫には幽霊が見えると思いますか?猫には霊感があるのでしょうか。
夜中に猫が部屋のある一点をじーっと見つめていたら「え?何見てるの?」ってちょっと不気味ですよね。霊感のない普通の私たちには何も見えていないにもかかわらず猫が執拗にその一点を凝視するのを見ると何かいるのかもしれません。
気になるところですね。
ミステリアスな猫に霊感があるのか、また猫の不思議な行動について検証してみました。
人間は感じない猫の感覚とは?
猫と一緒に暮らしていると何もないところをジッと見ていたり、何もないところに向かい鳴いたり唸っていることがあります。
私たち人間には何も見えてないにもかかわらずこういった行動をとる猫の様子を見ると「あれ?幽霊でも見えてるのかな?」とちょっと不気味に感じますよね。
そもそもこの世に霊が存在するのかはわかりませんが、一応存在するとしてもここではなるべく科学的な視野で話を進めたいと思います。
猫の視力について
元々は夜行性であるといわれる猫ですが、猫の視力はとても悪く人間でいえば0.1~0.3くらいの視力とされています。ですから、はっきり見えるのはおよそ10~20m先くらいまでのようです。
ただ、動くものに反応する習性からか50m先でも少し何かが動いくと瞳孔が大きく開いて反応します。
また暗くても猫の目の網膜の裏にある「タペタム(輝膜)」という反射板があるため人が必要とする光の6分の1の光量でものの識別ができます。
因みに猫の目が暗い場所でキラリと光って見えるのは網膜に含まれた「グアニン」という物質によるものだそうです。
色に対する識別は赤系の色はモノトーンで見えるようです。
あと猫の視界は280°あるといわれ、斜め後ろのものが見えます。人間の視野は約200°ですから人間がわざわざ後ろを向かないと見えないものも猫は前を向いたまま見ることができるということです。
人間から見れば自分が気付かないことを猫が気付くという不思議さを「霊感がある」と結び付けているのかもしれません。
猫の聴力について
猫は五感の中で聴覚が最も優れているといわれています。
人間の可聴域が2万ヘルツに対し耳がいいとされる犬は6万5000ヘルツ、猫は犬よりも1万ヘルツも高い7万5000ヘルツとされています。
一説では猫の脳で感じている音域は10万ヘルツまで反応しているらしいです。
また音源定位能力(音がどこから聞こえてくるかの判断能力)も優れていて10m先の音でもその誤差が20cm以内だそうです。
猫の聴力が優れているのは人間や犬に比べて耳の神経が多く人間が30000本に対して猫は40000本になります。
人間に聞こえていない微音でも猫にはよ~く聞こえているためにその音のする方向を見て「何だろう…」と考えながらジッと見ているのですね。
そんな猫を見て幽霊を見ているのだと私たち人間は考えてしまっているのかもしれません。
私たちの目には見えない埃や虫が飛んでいたとしたら猫は見逃さないでしょう。
シックスセンス
人間や動物の感覚として視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感がありますが、6つめの第六感があるともいわれています。いわゆるシックスセンスですね。
この六感とは五感以外の霊感や予知、虫の知らせを指して定義づけられています。
この第六感が猫にはあるというのです。
一説によると第六感には紫外線が関係しているようです。人間には見えていない紫外線が猫には見えるためにその場所をジッと見るのかもしれないです。
果たして猫に霊感や予知能力があるのかどうかはわかりませんが、世界のあちこちで第六感による猫の不思議な実話があります。そして究明するための実験や研究が行われているのも事実です。
科学的に証明される日もそうかからないのではないでしょうか。
フェレンゲルシュターデン現象
人間の目には特に変わったこともなく何も見えていない場所の一点を猫がジッと凝視している様子を見ることがあります。
このような光景を「フェレンゲルシュターデン現象」と呼ばれています。
この現象について様々な取り沙汰がされています。
このフェレンゲルシュターデン現象についてご紹介します。
名前の由来とは
猫が何もない宙をジッと見つめる様子を「フェレンゲルシュターデン現象」とされた語源ですが、第二次世界大戦中のドイツでナチスのある施設で極秘とされる霊に関する研究をしていたシュターデン博士と博士の愛猫のフェレンゲルに関係しているとされています。
ある日、愛猫のフェレンゲルが何もない空間をジッと見ていることが多くなったことから霊の研究家であるシュターデン博士はその空間の調査を始めたのです。
結果、猫が見つめていた空間は他の空間に比べると気温が低いことがわかり、当時「霊が出現する空間は温度が下がる」という定説となっていたため「愛猫フェレンゲルが見つめている空間は温度が低くなっているのは霊がいるに違いない」とされ「フェレンゲルシュターデン現象」と名付けられたというストーリーです。
でもこのストーリーは誰かが作ったウソなのです。
真相は…
この「フェレンゲルシュターデン現象」は誰かが勝手に作ってネット上で流れてしまった作り話なのです。
第二次世界大戦、ナチスドイツ、霊の研究、博士などと言葉が並んでいると真実味が溢れていてつい信じてしまいますね。
猫のとる不思議な行動と合わさってウソがどんどん独り歩きしたようです。
名称のことはともかく、猫が空間の一点をジッと見つめるという行動をとることは事実です。
愛猫が長い時間この行動をとっているときはストレスを感じているときかもしれません。
日常生活においてのストレス要因を確認した方がいいかもしれません。
猫には予知能力がある?
猫が持つ不思議な能力の中に予知能力があるといわれています。
その予知能力にまつわる話が様々な国で取り沙汰されています。身近な話だと飼い主さんが帰って来る時間やお天気がわかるって聞いたりもしますよね。
猫は勘がいいともいわれます。
ここでは人の死や地震を予知したという話についてご紹介します。
猫は死を予知する
昔から猫は自分の死期を悟ると姿を消すといいますが、人の死期がわかる猫がいるようです。
アメリカのロードアイランド州プロビデンスにある介護センターでアニマルセラピーを目的として飼われている「オスカー」という三毛猫がいます。このオスカーは死期が数時間後に迫った患者に添い寝し亡くなるまで見取るというのです。
その能力は的確で職員がもうすぐ亡くなるだろうと思われる患者の傍へオスカーを連れていくとオスカーはその傍を離れて別のベッドへ行ったことがあったのですが、その別のベッドの患者は数時間後に亡くなり最初に職員が連れて行った患者は数日間生き続けたという驚きの事実があります。
オスカーがこのように見取った患者数は50人を超えるほどです。
またイギリスのチャーチル首相の「ジョック」という愛猫がチャーチル首相の死期を予知し見取ったという話もあります。
一説では人間の細胞が死ぬときに発する「ケトン臭」を猫が嗅ぎ分けることができるといわれているようですが、本当のところは不明のままです。
猫は地震を予知する
ズバリ、猫は地震を予知できるといっていいでしょう。
動物行動学からでも科学的にも地震前の猫の異常行動が立証されています。
最近の日本では阪神淡路・東日本・熊本の3つの大地震がありましたが、その地震前の猫のとった異常な行動が報告され、神奈川工科大学、工学部機械工学科の矢田直之准教授の研究室による20年間保護猫を使った「動物達の異常行動による地震予知」の研究データが世界的にも注目されています。
猫が地震を予知するのは電磁波を感知できるからとされていますが、矢田准教授によると電磁波感知より本能的な第六感が有力と考えているようです。
猫がしきりに鳴いたり家の中を走り回る、高い所に登りたがる、外に出たがる等々、いつもと違う行動をとるようなときは気を付けた方がいいですね。
テレパシー
猫がよく人に向かってニャーニャー鳴きますが、猫同士は元々鳴かないのです。
子猫の場合は母猫に向かってよく鳴きますが、成猫になってからはあまり鳴かないものなのです。ですから猫がニャーニャーと鳴いてくるのは子猫の名残か人間に対して何かの意思表示をしているときなのです。
猫たちがお互いに会話をするのにはテレパシーを使っていると聞くことがあります。
テレパシーって何?
テレパシーとは心と心、或いは脳と脳のコミュニケーションと言われています。ラテン語で「遠くから感じる」という意味で相手の思考を読むことができる能力です。
誰でも訓練すればテレパシーを使うことが出来るとされていますが、特に人間の場合はテレパシーを送る側も受け取る側も一定の条件が揃わないと難しいようです。
テレパシーで会話する猫の集会?
猫同士はまさしくテレパシーで会話をしているようです。
その一例として分かりやすいのが猫の集会ですね。
猫たちが公園や空き地などで一同に集まっている姿をときどき見かけますが、私たち人間から見ると集まった猫たちは無言でただそこにいるだけ。
性別に関係なく数は10~20匹くらいでお互いの距離は0.5m~4.5mで無言で座っているという奇妙な光景です。
でもこの間おそらくテレパシーで会話をしているだろうといわれています。
この猫の集会についてはまだまだ謎だらけとされていますね。
まとめ
神秘的な魅力を持つ猫には昔から都市伝説が数多くあります。
そのせいか霊感がある、幽霊が見える、予知能力がある、テレパシーが使えるなど不思議な能力を持っているといわれたりしますね。
でもテレパシーはともかく、そのほとんどは猫本来の持っている習性や体の構造で科学的に証明されています。
何だ、面白くないと思われる方もいると思いますが、化け猫に通ずるようなイメージを払拭できて良かったと思っています。
私にとってはやはり賢くて可愛い猫に変わりはありませんから♡