小さな子猫の命を助ける!ミルクボランティアとは?

近ごろ、TVなどのメディアで取り上げられることもある「ミルクボランティア」。子猫にミルクをあげるだけではなく、様々な活動を行っているんです!
この記事では私自身がミルクボランティアを体験して感じたことや、子猫の命をつなぐための保護活動内容をご紹介します。

ミルクボランティアとは?

子猫の命を助ける

生まれて間もない赤ちゃん猫は、ミルクを飲めなくなるとすぐに死んでしまいます。母親から引き離されたり、捨てられたりしてミルクを飲めなくなってしまった子猫を助けるのが、ミルクボランティアです。

赤ちゃん猫は、数時間おきにミルクを飲まないといけません。子猫はこまめにミルクを飲まないと、脱水症状や低血糖症で死に至ってしまいます。大体、生まれて1週間くらいは2~3時間おき、それ以降は3~4時間おきの授乳が必要です。

また、赤ちゃん猫は自分で体温調節ができません。お母さん猫に抱かれて温めてもらうことができない子猫は、人の手で保温をしてあげないといけません。お母さん猫のお腹の所のような柔らかで温かい環境を作ってあげます。

お母さんになった気持ちで赤ちゃん猫を育てて、一人前の子猫にするのがミルクボランティアです。

費用負担についてはボランティアなので、おそらくどの保護団体さんもそうだと思いますが、

  • 輸送、哺育に必要な資材購入、治療費、子猫の一時飼育に関する費用負担は全てボランティアの負担
  • 仔猫の飼養に起因するトラブル、損害等についての責任についてもボランティアが負う
  • 報酬は発生しない

こんな感じなります。

子猫の命をつなぐ

動物愛護センター(保健所)に持ち込まれ、殺処分される猫は年間で約46,000匹(犬の殺処分数は約15,000匹です)。
そのうち約30,000匹が子猫です。殺処分される猫の約65%が子猫です。

【動物愛護センターとは、、、】
従来の保健所の仕事を、人の健康・医療・衛生に関する業務を担う保健所(健康福祉センター)と、動物の保護や狂犬病の予防、動物の危害防止に関する業務を担う愛護センターに分けたものです。ですので、保健所では殺処分は行われません。殺処分は、動物愛護センターで行われています。
保健所に持ち込まれた動物たちは、動物愛護センターに引き取られて保護または、殺処分されることになります。動物愛護センターが行っている業務が、いわゆる“保健所”のイメージに近いと思います。

大人の猫は自分で生きていけるため、里親探しボランティア団体などに引き取られるまで愛護センターで預かることができます。
愛護センターでも里親探しや譲渡会をしています。愛護センターから引き取られた犬猫も多数いるようで、里親さんからのお手紙や写真が飾られている所もありました。

ですが、生まれて間もない仔猫は、自分でご飯が食べられないため、殺処分の対象になりやすいのです。愛護センターの職員さんたちが、2~4時間おきのミルクを全ての子猫に与えることはできません。

ミルクボランティアは、愛護センターから子猫をいったん引き取り、自宅でミルクを与えて育てます。そして、完全に離乳して体も大きく(大体1kgくらいに)なると愛護センターに返還します。そのころには、排泄も自分でできるようになり、体温も維持できるようになり、一人前の子猫になります。

動物愛護センターから直接預かる場合と、猫の保護活動をしているボランティア団体に所属して、ミルクボランティアをする場合があるようです。

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始めたきっかけ

もともと、ミルクボランティアというものを聞いたこともなく、全く知りませんでした。

県の動物愛護センターが「ミルクボランティア」を募集しているという事をSNSで知りました。内容を確認すると、子猫にミルクをあげて独り立ちするまで預かるというボランティアがあるということが分かりました。
もともと猫が好きで、たまたま手が空いているのでやってみたいなと思いました。しかも、可愛い時期の子猫を預かれるなんて、、、ちょっとウキウキした気持ちでした。

ほとんど哺乳飼育経験がないからできるか不安はありましたが、ボランティアになれる要件をクリアしていたため、愛護センターに講習会の申し込みの連絡をしました。
動物愛護センターに連絡した時に、不安に思っている事や今までに生後1か月の子猫の飼育しかしたことが無い事などを相談したところ、丁寧に対応して頂き、とりあえず講習会に参加してはどうかとの事だったので申し込みました。

~ミルクボランティアの要件はこんな感じです~

  • 県内在住であること
  • 集合住宅や賃貸の場合、猫の飼養が認められていること
  • 同居家族全員の同意が得られていること
  • 先住猫がいる場合、隔離できかつ先住猫は1年以内に3種混合ワクチンを接種していること
  • 衛生的な使用環境と必要な資材を確保できること
  • 頻繁に子猫の世話ができること
  • ボランティア講習会を受講していること
  • センターが不適切と判断しない者であること

このように条件が絞られているのが、却ってわかりやすかったです。
県や都市などの自治体でミルクボランティアを募集しているところは年々増えていて、全国に広がりつつあります。

動物愛護センターの現状を知る

動物愛護センターから保護団体へ引き取られる子猫の数には限界があり、助けることができない命があるというのが現状です。
とくに哺育が必要な、手がかかってしまう子猫たちは殺処分の対象になりやすいのです。

猫の出産シーズン真っ盛りの初夏、愛護センターに足を踏み入れた途端、あちこちでミーミーミーミー、、、仔猫たちの鳴き声が聞こえてきました。声の可愛らしさに、この子達が殺処分されてしまうのかと、悲しい気持ちになりました。

職員の方たちも、もともと動物への愛情から愛護センターで働き始めたのに、多くの動物たちを殺さなければならないという現実に心を痛めているようでした。愛護センターから保護団体以外にも、直接子猫を預けることができれば、もっと多くの仔猫の命を救うことができる。ミルクボランティアの募集は、そんな職員の方たちの切実な願いでした。

講習会でそのような状況を知り、職員の方たちの1匹でも多く救いたいという気持ちを聞いたときに、ぜひボランティアをしようと決意しました。

ボランティアの登録申請方法

実際にミルクボランティアを始めるには、ボランティア登録をします。ボランティアの要件を満たしていることはもちろん、申請書・誓約書・地図・室内見取り図などを提出して登録申請をします。お家のどこに子猫ちゃんたちの飼育設備を設置するかを見取り図にして提出するのは、きちんとスペースが確保できているかとか、先住猫と隔離できるようになっているかを確認する為かなと思います。
その後、センター職員さんの現地調査があります。現地調査では、きちんと飼育できる設備が整っているか視察してもらいます。それらの審査が終わると、ボランティア登録が完了し、ミルクボランティアとしての活動がスタートします。

保護活動の流れ

  1. 動物愛護センターへ哺乳が必要な子猫が収容されます。愛護センターの職員さんが、子猫の健康状態の確認と、寄生虫の駆除をして、受け入れ先が見つかるまで哺乳していてくれます。
  2. センターから受け入れできるかの確認の連絡が入ります。受け入れできるのであれば、引き取りに行きます。だいたい3~5匹くらいです。
  3. 子猫の受け渡しを行います。センターから、子猫ちゃんたちと、管理票・実施報告書・レスキューセットを預かります。
  4. 子猫ちゃんたちのお世話をして、体重や体調の記録を数日おきに愛護センターへ報告します。
  5. センターでは、健康確認とワクチン接種をしてもらいます。その後、里親探しボランティアさんへ猫ちゃんを託します。

お世話の仕方を学ぶ

ミルクのあげ方、排泄のさせ方、保温箱の作り方を教わって、実践もさせてもらいました。

ミルクをあげる

腹ばい状態であげるのがポイントです!

排泄のお手伝い

結構ゴシゴシこすってあげます。お母さん猫のザラザラの舌になめてもらってる感じです。

保温箱で温める

体温調整ができない赤ちゃん猫のために、お母さん猫のお腹のような温かい場所を作ってあげます。湯たんぽや保温材を使って温かく。箱に敷くのは、百均などでも手に入る「ふわふわタオル」がベストだそうですよ。

初めての赤ちゃん猫の哺育でも分かりやすい資料ももらいました。これなら安心してお世話できそうです!!

ミルクボランティアに行ってきた!

「本日、生後2週間ほどの子猫3匹が収容されましたが、引き受け可能ですか?」
という連絡を動物愛護センターからもらい、さっそく引き取りに向かいました。いざ、ミルクボランティア開始です。

赤ちゃん猫がやってきた

生後2週齢の子猫は、やっと目が見え始めるころです。この頃の子猫の目はみんな青色をしていて神秘的です。手足の爪は、まだ引っこめることができず出たままです。2週齢くらいから爪を切ってあげて、爪切りに慣れさせていきます。

初日は、3時間おきのミルクやりと排泄をさせてあげて、保温箱でゆっくりしてもらいました。これから、毎回授乳のたびに、ミルクを飲んだ量と、体重を報告書に記入していきます。

どんなミルクがいいのかな

2日目の夕方から、なんだか元気のない子が1匹いました。夜になってもミルクをあまり飲みません。保温箱の隅でただじっとしています。近所には、夜も開いている動物病院はありません。170グラムくらいのまだまだ小さい命、このまま消えてしまうかもと不安な夜でした。
翌朝様子を見てみると、元気にミルクを飲んでくれました。ミルクを飲む時に耳をピクピク動かすのが、たくさん飲んでいる証拠です。昨日は眠たかっただけかな。長旅をしてきたんだもの、疲れたよね。安心して元気にすくすく大きくなってね。

下痢が止まらない。
預かってきた時から1週間ほど下痢が止まりませんでした。愛護センターの獣医さんに処方してもらった抗生剤と、ビオフェルミンで様子を見ることになりました。また、ミルクは愛護センターでもらったレスキューセットに入っていたのと同じものに戻しました。それから3日後、普通のうんちが出るようになりました。良かったね。
安価なミルクより、価格の高いミルクの方が下痢を起こしにくいようです。

トイレを覚えた!

3週齢くらいになったので、猫のケージの中に、ティッシュペーパーの空き箱で作った小さなトイレを設置。トイレの砂に、においをつけておいたら、クンクンして、早速自分でしてくれました。小さい足を踏ん張って、お腹をパンパンに力を入れて、頑張って自分で排泄できるようになりました。

この頃になると、視力がはっきりして、おもちゃを追いかけたり、きょうだい同士でじゃれ合ったりします。出たままだった爪もしまえるようになりました。赤ちゃん猫から、日増しに可愛い子猫に成長していきます。

離乳食開始

4週齢の終わりころ、順調に大きくなっているので、離乳食を始めました。噛まれると痛いくらい歯もしっかりしています。市販の離乳用ムースを与えて様子を見ました。元気によく食べてくれているので、3日後くらいには少し粒のある離乳食にしました。

離乳食からカリカリのキャットフードへ

5週齢ころ、離乳食からカリカリ(ドライフード)へ。
順調に大きくなってきたので、そろそろ子猫用のカリカリをあげてみました。あげてみると、みんなカリカリカリカリかわいい音を立ててよく食べてくれました。

しかし、、、下痢再び。子猫は下痢との闘いです。
カリカリを消化するには、内臓の成長が追いついていなかったのか、1匹、2匹と下痢をするようになってしまいました。カリカリを離乳食に戻し、ビオフェルミンを投入。

カリカリをふやかして離乳食に戻すと、下痢は治まりました。今度は慎重に、急にカリカリに移行するのではなく、お腹にやさしいようにカリカリをふやかしてあげることにしました。みんな喜んで食べてくれて、下痢をすることもありませんでした。

そしてまたカリカリへトライ。そろそろ大丈夫かな、という事でカリカリに再挑戦。今回はお腹を壊すこともなく、よく食べてすくすく大きくなっていってくれました。
子猫用のドライフードは成長期(1カ月~12カ月)の子猫用が一般的ですが、できれば成長前期(1カ月~6カ月)と成長後期(6カ月~12カ月)に分かれているものをそれぞれの時期に合わせてあげた方が、子猫の健康状態に適しているようで、お腹をこわしにくかったです。

返還の時期

200グラム足らずだった赤ちゃん猫ですが、約7週間で1,000グラム位にまで大きくなりました。

定期の飼育報告書を確認してくれていた愛護センターの担当スタッフの方から、そろそろ返還しても問題がなさそうとの連絡があり、返還日程が決まりました。今回は、生後2週齢からの引き受けで、発育も良かったので、47日間のミルクボランティアでした。

預かった時より、何倍も大きく元気になった子猫たちを乗せて、愛護センターへ向かいました。分かっていることでしたが、引き渡しの時はとてもさみしく、できるならこのままこの子達とずっと一緒に居たいと思いました。ですが、ミルクボランティアには、次の子猫が待っています。助けなければならない子猫は沢山たくさんいるのです。

当日中に「里親探しボランティアさん」に託され、命のリレーをつなぎます。

早く本当のおうちが見つかるといいね。

まとめ

動物愛護センターには、様々な理由で動物が収容されます。捨てられていた子、飼い主が放棄してしまった子、近所迷惑になるとされた子などです。人が捨てた命をなんとか救いたい。その1つがミルクボランティアです。
猫の出産シーズンの、春から秋にかけて11月くらいまで動物愛護センターには、多くの子猫が収容されます。その時期には、なるべくたくさんの人手が必要になります。興味がある方は、地域の動物愛護センターや保護団体に問い合わせてみてください!
それに、猫の助け方はミルクボランティア以外にもたくさんあります。少しの事で救える命はあります。殺処分ゼロ、保護猫ゼロへ何かできることから始めてみてはいかがでしょうか。

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