猫の意思表示でもある?猫パンチについて調べてみた!

猫の飼い方・知識

猫がときどき前足でパンチをしているところを見かける方も多いのではないでしょうか。一生懸命パンチしている姿は可愛いものです。
この猫パンチにも場合によって様々な理由や意味があるのです。ジョブ的な軽いものから激オコのヘビーな連打までバリエーションがつきません。猫好きさんにとってはこの猫パンチも大好きな猫の魅力のひとつですね。
その猫パンチについて掘り下げてみました。

猫パンチって?

猫が器用に前足を使いパンチしている姿を見ると怒っている以外は可愛くてつい微笑んでしまいます。
その猫パンチと呼ばれるようになったのもそんなには古くないようです。
ここでは猫の前足やその猫パンチについて調べてみました。

 

名前の由来

「猫パンチ」という言葉ですが、起源にあたるものがあるようです。
アメリカの人気俳優であるミッキー・ロークさんが一時期プロボクサーであったことは有名な話ですが、あるボクシングの試合でパンチをする際、左ジャブから相手の顔を上から下へ撫でるような右のパンチを炸裂させてノックアウトへ導きKO勝ちしたことがありました。当時、その記事がスポーツ新聞で報じられたときに「猫パンチ」という言葉が誕生したといわれています。
「猫パンチ」という言葉の発祥はアメリカだったのですね。

前足のしくみ

猫パンチは前足で行うものですが、前足の指は両方で10本、猫の前足は狩りの習性に相応しい構造になっています。外から見ると指と爪と肉球から始まり上部へといくわけですが、まずは猫好きさんの好きでたまらない肉球はプニプニしていて足音を忍ばせて歩くことが出来ます。
肉球の構造は層になっていて角質細胞の表皮、コラーゲンから成る真皮、脂肪から出来ている皮下組織となっています。
肉球にある小さなくぼみには真皮層にあるエクリン腺の開口部がありわずかな汗を出すのですが、その汗はマーキングのニオイ付けや滑り止めの役割をするのです。
そして爪。猫の爪は円柱状にカーブし、出し入れができるようになっており内側と外側の二層構造になっており内側には神経と血管が通っています。猫の爪は幾重にも重なっていて爪とぎをして古くなった層をはがして新しい爪を向き出しにするのです。
猫は爪の出し入れをしますが、その際腱から繋がっている靭帯によって行われるのです。猫は自分の意思で爪の出し入れが出来ます。
また猫は回外といって前足をねじって親指を外側に向けることが出来たり手を握るグリップができることからも器用であることがわかります。

猫パンチするのは利き足?

猫にも利き足があるのをご存知でしょうか。様々な機関や学者が手法を変えて実験した結果、オスは左利き、メスは右利きが多いようです。
もちろん用途によっては両方の足を使うこともあるようですが、いざ利き足となると分かれます。
性ホルモン「テストステロン」の影響ともいわれています。

猫パンチする理由

猫パンチする理由とはズバリ狩猟本能にあります。
子猫の頃から動くものに反応し元々ある狩りの習性に加え、母猫からのエサを獲るための術を教えられる中でこの猫パンチを習得していくのでしょう。

猫パンチするときってどんなとき?

猫が猫パンチするときは色んな気持ちでいるのを感じますよね。さっきまで喉をゴロゴロ鳴らしながら甘えてきたので撫でていたらいきなりパンチ!なんてされるとちょっと凹んでしまいます。
猫はその時の気分で様々な猫パンチを使い分けています。
そんな猫パンチをしてくるときの猫の気分についてご紹介します。

調査したい気分

猫の前足はとても敏感なのです。器用に前足を使って初めての物に触って安全かどうかを確かめたり手元に引き寄せたりします。
好奇心旺盛な猫は何でも興味を持ちますよね。でも触ったりする前にまずはチョイチョイとジャブ的な軽い猫パンチをします。
そして対象となる物が動かず安全であると確認を終えたら口に入れたり遊んだりするのです。
またこの確認によって危険と感じたら攻撃モードに移行します。

気持ちを切替えたい気分

猫を撫でてあげているときに気持ちよさそうにしていたにもかかわらず突然猫パンチが飛んでくることがありますよね。
そんなときの猫の気持ちは「もう撫でなくていいよ」というやめての意思表示をパンチに込めています。猫にしてみれば気分転換したいとか飽きちゃったということでしょう。
こんなときは撫でるのをやめて放っておくかオモチャなどで遊ばせて気分を変えてあげると猫との絆が深まること間違いなしです。

不機嫌な気分

猫は気まぐれな動物です。しつこく関わられると物凄くムッとした顔になりますよね。
先ほどの気分転換とは少し違って猫の気持ちいい箇所を撫でてもらっていても「ここまで」という線のようなものがあり、それを越してしまうと途端にNGでかなり厳しめの猫パンチが飛んできます。
また猫はしっぽで自分の心の状態を表わしています。しっぽを下げ素早く左右にパタパタと揺らしたりぱたんぱたんとし始めたら不機嫌になっているので気をつけましょう。

威嚇・攻撃したい気分

恐怖を感じたり、相手に対して攻撃しようとするときに飛んでくる猫パンチは爪を出し振りが大きかったり高速で連打してきます。
まずは背を丸め毛を逆立てて、唸り声を「ウー」「シャー!」と言いながら相手を威嚇します。
猫は本来ならケンカを嫌う平和主義なのです。そのためまずは威嚇してから猫パンチするか、猫パンチで届く範囲が猫のパーソナルスペースなので猫パンチをすることによってそのスペースから「出ていけ」「近づくな」「かまうな」という気持ちを示しているのです。
ある意味、理知的ですよね。

八つ当たりしたい気分

「え~っ!猫が八つ当たりするの?」と思われるかもしれませんが、実はあるのです。
お腹が空いていたり自分の思い通りにならなかったり遊んでいて興奮しすぎたときなどにそのときそばにいる人や猫に関係ないのにいきなり猫パンチが飛んでくるのです。
まさしく八つ当たりですね。
こんなときはエスカレートさせないためにも離れて猫が落ち着くまで待ちましょう。
一説によると子猫の場合、「どうしたの?」とかまってしまうと性格的にきつい猫に育ってしまう可能性があるようです。

気持ちから見る猫パンチの特徴

猫は気持ちによって猫パンチを変えています。
大きく分けると「遊んでいる」「不快な思い」「怒って攻撃する」の3パターンになります。
このパターン別でのパンチする理由や特徴、その威力などについてご紹介します。

遊んでいる

遊びモードのときは猫パンチといっても軽くじゃれているのでオモチャや飼い主さんの手などにチョイチョイと連打したりします。かまってほしいという気持ちの表れでもありますね。こんなときは爪は出していません。
ただ子猫の場合はまだ加減が分かっていないので好奇心旺盛なのに加えて遊んでいるのに夢中になり爪が出ているときがありますので気を付けてください。
成猫でも飼い主さんの手には爪をあてることはほとんどないですが、オモチャや動くもので遊んでいるときは加減をしていません。うっかり手を出すことは控えた方がいいでしょう。
威力としてはほとんどなくポンポンポンくらいですね。

不快な思い

猫が不快な思いをする原因は同じことを繰り返ししつこくされたり嫌な場所を触られたり撫でられたりすることです。
はじめはご機嫌で撫でてあげていたらいきなり猫パンチされたとか猫を触ろうとしたらいきなり猫パンチされたという経験があるのではないでしょうか。気ままな猫の気分の移り変わりは早いです。
不快になったときの猫パンチには爪が出ていることが多く、軽く噛んだりしっぽをパタパタと振りながら猫パンチしてきます。
威力としてはMAXが5だとしたら3くらいです。
こんなときは即触るのをやめてくださいね。でないと怒りモードへ発展してしまいケガをする可能性大です。

怒って攻撃する

この場合、猫は2種類の猫パンチの理由があります。1つは狩りの習性からくるもので2つめは縄張り意識からくるものです。
1つめは猫が獲物を仕留めるときにやみくもに飛び掛かるのではなく、狙いを定め隙を見て飛び掛かり猫パンチで相手を弱らせてから噛みつきトドメをさします。
2つめは縄張りを守るためにまずは唸り声で威嚇し相手が引かないときには猫パンチをします。様子見の猫パンチは爪を出さず緩めの威力ですが、ケンカに発展すると爪を立てパンパーン!と威力MAXでパンチするためお互いがケガをします。このときは近くにいるとかなり怖いです。

まとめ

猫は基本的に争いを嫌う動物なのです。
そんな猫が猫パンチをしてきたときはそれなりの理由が必ずあるはずです。その理由やそのときの猫の気持ちを考えて的確な対応をしてあげるともっと猫を近しく感じ、もっと好きになると思います。
ひとくちに猫パンチといっても様々な背景があり猫にも人間と同じような感情があるのだと再認識させられました。
これからも猫との絆をどんどん深めていきたいと思います。




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