愛猫の健康のことを考えてマッサージをしてあげたいときにツボが分かっていたらもっといいのにって思われたことはありませんか？
同じマッサージをするなら効果的な方法でしてあげたいものです。
あんなに体は小さいですが、猫にも人間と同じようにツボがあるのです。頭・体・猫好きにはたまらない肉球に至るまで徹底的に調べてみました。
愛猫のマッサージをしてあげるときにお役立ていただけたらと思います。
猫のツボ
猫のツボですが、あんなに小さい体のなかにぎっしりと言ってもいいくらいにツボが存在します。愛猫の体に触れてモミモミしていれば何かのツボを刺激していると言っても過言ではありません。
要するに触っていて愛猫が気持ちよさそうにしていればうまくツボを押していることになりますね。
ここでは各ツボの名称と効果についてご紹介します。場所については写真の番号と照らし合わせてご確認下さい。
ツボの名称と効果～顔
猫の顔には左右対称に8つのツボがあります。写真のツボに番号を付けてありますのでご覧ください。
まず、1と2については頭の真ん中にあるので左右対称からは外れ、3と4と5が対称になります。
- 天門（てんもん）～耳と耳の間の頭頂部の真ん中
効果：発熱、脳炎、足の痙攣 - 印堂（いんどう）～額の中央
効果：目やに、鼻水の改善 - 攅竹（さんちく）～目頭の上
効果：自律神経のバランスを整える - しちくそう～目じりの上
効果：眼病、ストレス解消 - 地倉（ちそう）～口の両脇
効果：足の衰え、よだれ - 人中（じんちゅう）～鼻と上唇の間
効果：咳、ショック、熱中症 - 迎香（げいこう）～鼻の穴の両端のくぼみ
効果：副鼻腔炎
ツボの名称と効果～背中
背中にもたくさんのツボがあります。
背骨を挟んで左右対称にありますが、腰椎の2番目と3番目の間のツボである命門は背骨の上1つです。
- 肺兪（はいゆ）～胸椎の3番目と4番目の間
効果：風邪、肺熱咳 - 厥陰油（けついんゆ）～胸椎の4番目と5番目の間
効果：風邪、肺熱咳 - 心兪（しんゆ）～胸椎の5番目と6番目の間
効果：心臓疾患 - 肝兪（かんゆ）～背骨の9番目と10番目の間
効果：肝炎、黄疸、眼病 - 胆愈（たんゆ）～背骨の10番目と11番目の間
効果：胆嚢、胆汁、肝炎、黄疸、眼病 - 脾兪（ひゆ）～尾より2番目と3番目の肋間
効果：胃腸、下痢、嘔吐、食欲不振、消化不良、便秘、痩身 - 胃兪（いゆ）～胸椎の12番目の肋間
効果：脾胃虚弱、下痢、嘔吐、食欲不振、消化不良、便秘、痩身、腸炎 - 腎愈（じんゆ）～腰椎の2番目と3番目の間
効果：多尿症、腎炎、不妊、腰胯疼通 - 大腸愈（だいちょうゆ）～第4腰椎と第5腰椎の間
効果：便秘、下痢、消化不良、腰病 - 膀胱愈（ぼうこうゆ）～2番目と3番目の仙骨の間
効果：膀胱炎、多尿症、排尿困難、腰胯病 - 命門（めいもん）～背中の中心線で腰椎の2番目と3番目の間
効果：腎臓、腰痛、排尿 - 環跳（かんちょう）～お尻の後ろのくぼみの中
効果：腰痛や尻の痛み、股関節挫傷、後肢麻痺、腰胯疼通、後足のこわばりやしびれ
ツボの名称と効果～お腹
お腹には8カ所にツボがあります。またお腹のマッサージをするときに気を付けたいのがしこりが出来ていないかを確認することです。
- 天突（てんとつ）～喉の下で肋骨の始まるすぐ上
効果：肺を正常に動かす - だんちゅう～腹部中心線で胸骨先端部のくぼみ
効果：横隔膜の働きを正常にする、動悸 - 巨闕（こけつ）～腹部中心線上で首とおへその間
効果：胸やけ、胆汁、吐き気止め - ちゅうかん～腹部中心線上で胸剣状軟骨の先端とおへその間
効果：胆汁、粘液、吐き気止め - 神闕（しんけつ）～おへそ
効果：下痢、嘔吐 - 天枢（てんすう）～おへその両脇4～5センチ
効果：大腸の働きを正常にし、内臓を活発にする - 中極（ちゅうきょく）～腹部中心線でおへそから恥骨までの1/5のところ
効果：膀胱の病気治療 - 章門（しょうもん）～下から2番目の肋骨の先
効果：脾臓
ツボの名称と効果～体の側面
猫の体を側面から見た角度でのツボになります。
- 耳尖（じせん）～耳の後ろの先端の静脈の上
効果：眼病 - 風池（ふうち）～頭の後ろの首の付け根のくぼみ
効果：風邪の初期症状、気管支炎、口内炎 - 身柱（しんちゅう）～第3、第4胸椎棘突起間
効果：肺炎、気管支炎 - 脊中（せきちゅう）～第11、第12胸椎棘突起間
効果：消化不良 - 百会（ひゃくえ）～腰椎の最後と仙椎の間のくぼみ
効果：下痢、各種神経錯乱、坐骨神経痛、下半身不随 - 尾根（びね）～尻尾の付け根
効果：便秘、下痢 - 尾端（びたん）～尻尾の先端
効果：便秘 - 三陰交（さんいんこう）～後ろ足内側、脛骨のすぐ後ろ
効果：肝臓、脾臓、腎臓の働きを活発化、消化不良、下痢、脱水症状 - 太谿（たいけい）～後ろ足の内側、内果とアキレス腱の間の拍動部
効果：腎臓、腰痛、全身の活力調節、便秘、乾燥肌 - 趾間（しかん）～後ろ足の外側の各指の間
効果：後ろ足麻痺、泌尿器疾患 - 行間（こうかん）～後ろ足前側で指の骨が足の骨につながるところ
効果：精神不安定、嘔吐、排尿 - 後三里（あとさんり）～下腿上部の外側で膝から2センチのところにある筋溝の中
効果：食欲不振、後ろ足麻痺、嘔吐、下痢、胃腸炎、消化不良、腹痛、虚弱、半身不随、発熱、関節炎、口内炎 - 曲池（きょくち）～前足の外側で膝の辺り
効果：保温、痛みや炎症、湿気を取り除く - 外関（がいかん）～前足首の前側
効果：解熱、炎症、のど痛 - 合谷（ごうこく）～前足の1指と2指の間
効果：急性疾患を治し抵抗力や免疫力を高める - 尺沢（しゃくたく）～前足の内側で膝の辺り
効果：肺の熱を取って咳止め
本格的にツボを覚えて愛猫にマッサージしてあげたい方にお勧めな本です。獣医学博士が書いた内容のためしっかりしているのでとても参考になります。
肉球にもツボがある
ぷにぷにしていて萌え～効果抜群の猫の肉球ですが、正式名称は蹠球（しょきゅう）といいます。肉球の6つのそれぞれに名前があり4つの指に値するのが指球（しきゅう）、手の平の部分のようで大きなものが掌球（しょうきゅう）、少し下へ行き親指のようなものを狼爪（ろうそう）、そして前足にしかないのですが、狼爪よりさらに下へ下がった足首くらいのところにあるのが手根球（しゅこんきゅう）となっています。
この肉球の掌球（しょうきゅう）にも湧泉（ゆうせん）という大切なツボがあるのです。ここでは各肉球の効果についてご紹介します。
肉球の名称と効果
肉球の1つである掌球（しょうきゅう）のところが湧泉（ゆうせん）というツボになっているのですが、効果は疲労回復になるとされています。
肉球は前足と後ろ足では効果が違ってきます。
「前足の場合」
- 指球（しきゅう）の効果：大腸、肩こりを和らげる
- 指球（しきゅう）の効果：心臓、耳に関係
- 指球（しきゅう）の効果：臓腑、ストレスを和らげる
- 指球（しきゅう）の効果：小腸、歯
- 掌球（しょうきゅう）の効果：疲労、不安を和らげる
- 手根球（しゅこんきゅう）の効果：肺、安心感
「後ろ足の場合」
- 指球（しきゅう）の効果：肝臓、生殖器、頭痛を和らげる
- 指球（しきゅう）の効果：胃、不眠を改善
- 指球（しきゅう）の効果：胆嚢、足のしびれを和らげる
- 指球（しきゅう）の効果：膀胱、胃、気持ち、安眠
- 掌球（しょうきゅう）の効果：肥満、代謝促進、不安を和らげる
肉球のお手入れ
肉球はぷにぷにして柔らかいのですが、乾燥しやすくひび割れているのを見ることがあります。
猫は体を毛づくろいするときに足の裏や肉球もきれいに舐めているのであまり神経質に手入れをする必要はありませんが、時々スキンシップも兼ねてお手入れをしてあげてください。
各肉球の指圧をしながらマッサージをしてあげた後、猫の肉球専用のクリームがありますので優しく塗り込みながらマッサージするといいでしょう。
まとめ
哺乳類であることからほとんど人間と同じくらいツボがあることが分かりますね。
いつも可愛い姿を見せてくれる愛猫に少しでも長生きしてほしいものです。
猫の体にたくさんあるツボを指圧しマッサージすることで健康チエックも兼ねてスキンシップとともにしっかりと健康管理をしてあげることが大切です。
