ペットショップではなく、里親募集されている飼い主のいない猫を引き取るという選択、最近では広く知られていると思います。
飼い主がいない猫の世話をしている保護主さんは、猫が安全に暮らせる本当の家を見つけてあげるために、様々な方法で里親募集をします。「保護猫の譲渡会」も里親さん探しの方法のひとつで、飼い主がいなくて保護された猫「保護猫」と新しい飼い主さんとの出会いの場なのです。
今回、ある保護主さんが開催する譲渡会に参加してきました。保護主さんは、地域猫のボランティア活動をしていて、その活動の中で、地域猫として外で暮していけない猫を多数自宅に引き取り保護していて、なんとか里親を見つけてあげたいということで、個人で譲渡会を開催することを決意しました。手作りでアットホームな譲渡会では、様々なご縁がありました。その体験をレポートしていきます!!
譲渡会を開催したい!
飼い主に捨てられた、飼い猫が生んだ子猫が捨てられた、捨てられた猫が生んだ子猫など、様々な事情で「飼い主がいない猫」になってしまいます。飼い主がいなくなってしまった猫は、厳しい外の世界で、生きていかなければなりません。または、保健所で殺処分されるのを待ちます。保護主さんは、命を救いたい一心で、猫を引き取りますが、引き取っているばかりでは限界があります。命の危機にある猫はたくさんいるのです。多くの命を救うため、保護された猫を新しい飼い主のもとへ送り出します。
今回の保護主さんも多数の猫を抱え、しかもこれからまた子猫が生まれるシーズン。里親募集サイトに載せているものの、日々多くの里親募集中の猫たちがアップされ、すぐにうもれてしまいます。あまりすすまない譲渡に悩んでいました。
そこで、直接かわいい猫たちに会える場を作りたい、もっと保護猫とのことを知ってほしいということで譲渡会を開催することになりました。
会場探し☆
譲渡会を開催するにあたってもっとも頭を悩ませるのが、会場探しです。
- 他の団体の開催する譲渡会に参加?
申請さえすれば、開催団体以外の猫も参加させてくれる保護団体や、参加自由の譲渡会の開催のみの活動をしている団体もあります。ただ、ほとんど大都市での開催で、地方での開催はあまり無いようでした。遠くまでの移動は猫に負担がかかってしまします。 - 保健所の開催する譲渡会に参加?
保健所でも定期的に譲渡会を開催していますが、それは保健所に持ち込まれた動物が対象ということで、他からの参加はできないようです。 - カフェなどでは?
衛生問題が発生します。飲食店に動物がいることを不快に思うお客さんへの配慮も必要になります。もともと猫カフェのような営業形態で許可取ってない飲食店では、動物をお店に入れる事は難しいのです。 - 公園などの屋外は?
天候の問題があるのと、周りに何もない環境では猫が怖がってしまいます。せめて屋根があるような場所でないと難しいようです。 - 自宅では?
駅から遠く、駐車場になる場所も無いため、交通の便が悪く断念しました。
このように色々な案は出たのですが、なかなか条件が合いません。
猫好きママさんとの出会い♡
地域猫団体の方や、猫好きの知人に相談していたのですが、なかなか譲渡会場が見つかりませんでした。
そんなとき、ある出会いがありました。知り合いのつてを頼って、猫好きなママさんのいる雑貨店で猫の譲渡会をさせてもらえることになったのです!ママさん自身も保護猫の里親になっていて、猫好きで有名だったのです。猫の縁はつながるのですね。(♡´ω`♡)
ただ、雑貨がならぶ場所に猫を入れることはできないのと、一般のお客様も来るということも考えないといけません。お客様には猫が苦手なかたもいると思います。どうしたものか…と思っていましたが、ママさんのご厚意で、お店の一角をしきって譲渡会用のスペースをあけて頂けることになりました。ヾ(。>v<。)ノ゙
譲渡会当日☆
いよいよ譲渡会当日!会場準備もととのい、猫たちの体調も万全です。今回は3匹の猫を参加させることになりました。去年の春生まれの1歳未満の3兄妹。飼い猫の予定外の妊娠出産だったのでしょうか…乳飲み子の状態で3匹箱に入れられ遺棄されていたそうです。約一年、保護主さんに可愛がってもらい、手厚く育てられた子猫達はみんな人懐こく、全員が抱っこOK、ひざ乗りさん。できれば、3匹一緒のお家にもらわれてほしい!(*´・∀・*)
譲渡会中も猫たちは、お客さんに抱っこされたり、ひざの上で寝てしまったりと、愛想よくお行儀よく過ごしていました。参加した筆者も「こんな可愛い子たち、つなぎとめられた命、絶対幸せになってほしい」と思いました。
譲渡会が決まってから、フライヤーを作成したり、周りの方への声掛けや、フェイスブックイやインスタでお知らせするなど広報活動をしていました。そのかいあってか、本気の里親希望の方も来てくださいました!
幸せになるために♡
3組の里親希望の方が来てくださいました。その中で「猫を飼いたくて」と来てくださったあるご夫婦の目にとまった猫たち。もともと、奥様は実家で猫を飼った経験があり、今回は夫婦で1匹の猫を迎えたいと思っていたそうです。3匹の兄妹と触れ合い、3匹のバックグランドをお話するうちに、ぜひ兄弟で引き取りたいと言ってもらえました。でも家の都合もあり、飼えるのは最大で2匹までということで、 2匹の兄妹が同じ家で暮らせることになりました。
兄妹が離れてしまうのはかなしいけど、また次のチャンスを待っているお兄ちゃん猫も、みんなそれぞれの幸せをつかんでほしいと思いました♡
まとめ
参加させてもらって思ったのは、やればできる!ということでした。
いま多数の猫を保護していて、譲渡が進まなくて困っているという方はたくさんいると思います。思い切って自分で譲渡会を開いてみてはいかがでしょうか。条件が合う場所が、どこかにあるはずです。小規模でもまずは、地域猫活動、猫の保護活動を知ってもらうだけでもいいと思います。
譲渡会では、子猫を飼いたいと希望される方が多かったと思います。今回参加した猫も1歳未満の子猫なのですが、体はだいぶ大きくなっているため、子猫には見えないのです。猫を保護する側としては、これから来る猫の出産シーズンの前に、去年生まれた1歳未満の子猫をもらってほしいというのが本音です。これから春になり、また次々と捨てられてしまう乳飲み子達を保護しなければならないのですから。それに実は、子猫から人と一緒に生活した猫は人との信頼関係もできていて、体調も安定しているので、猫を初めて飼うという人にも飼いやすいのです。また、一年たっているので性格や性質がわかりやすく、「一緒に遊べる子」とか「お留守番が平気な子」とか、ある程度は里親さんの要望に合わせた子を選ぶことができます。これから猫を迎えようと思っている方は、ぜひ1歳以上の猫も検討してみてほしいと思います。
猫は環境に対してとってもデリケートな動物です。譲渡会場は見世物ではないですし、おびえている猫を無理に触ることはできません。ただ、マナーさえ守れば、見に行ってみるだけでもいいと思います。猫を愛する気持ちは同じなのですから、それが未来の飼い主さんにつながっていくのだと思います。
一匹でも多くの命が、幸せになれることを祈っています。