猫の皮膚病の1つである膿皮症について詳しく知ろう!

猫の病気・体調管理

猫の皮膚は人間と違い1度ケガをするとなかなか治りにくいとされています。その原因の1つが膿皮症と呼ばれる病気になります。猫の体にいきなりマヨネーズがついているのかと思った経験をされたことはありませんか?表面的には治ったかと思われても皮膚の下ではじくじくとして膿んだ状態のため、また表面化して膿が出てくることもあり非常に厄介な病気です。膿皮症について詳しく調べてみました。

猫の皮膚の構造

猫は身体能力が高く、からだもとてもしなやかで柔らかい動物です。皮膚の伸縮性も驚くほどありますよね。
よく猫を掴むときに首の後ろの皮膚をもつと信じられないほど伸びます。果たして掴んでもいいものなのか分かりませんが、掴むと形相が変わり猫自体の動きを止めることができるところを見ると止めた方がいいように思います。
猫の皮膚は表面から「表皮」「真皮」「皮下組織」に分かれています。そして縦に毛が生えているのですが、その毛には「毛包」という箇所があります。
その皮膚の構造についてご紹介します。

表皮

表皮は皮膚の構造の一番外、すなわち表面の部分の細胞の層になります。
細胞の成分としては「角質化細胞」、「ランゲルハンス細胞」、「メラニン細胞」、「メルケル細胞」です。そして「ケラチン」というたんぱく質を脂質によってつなぎ合わせ防水性を作っています。
表皮は色素の作成や紫外線を遮断、細菌や傷から守る壁の役割をしています。
また猫の表皮はとても薄いとされています。犬の表皮が人の約1/5の厚みで猫はさらに薄いと言われています。

真皮

真皮は表皮と皮下組織の間にある層です。
組織の成分としてはコラーゲン、そして弾性繊維といわれるエラスチン、ミクロフィブリルタンパクのたんぱく質、繊維芽細胞から分泌されるプロテオグリカンやグリコサミノグリカンという糖たんぱくで成り立ち、神経や血管、リンパ管も通っており被毛の元となる毛根も真皮から出ています。
様々な栄養を蓄える場所であり体の形状を維持するために重要な役割をしているのです。真皮は表皮を支える重要な層でもありますね。

毛包

毛包は真皮から表皮へまたがるように存在する毛根を包む組織です。
毛根を保護しており毛が伸びるときに保護されながら通る道の役割をしています。上皮性毛包、硝子膜、結合組織毛包から成り立っているのです。
猫や犬は1つの毛包の中に1本の主毛と複数の副毛が混じっている「複合毛包」構造とされています。

皮下組織

皮下組織は真皮の下にある層になり主に皮下脂肪から成り立っているのです。肥満というのはこの層に脂肪が付き過ぎた状態ということですね。

子猫のへや:猫の皮膚の基本構造参照
http://www.konekono-heya.com/karada/skin.html

膿皮症の症状と原因とは?

膿皮症とは皮膚上で菌が繁殖し化膿して膿が出るという皮膚病です。皮膚の構造の表皮・真皮・皮下組織のすべてに発症するといわれています。
犬の場合、膿皮症は一般的な病気ですが、猫ではあまりかからない病気のようです。
我が家には4匹の猫がいますが、膿皮症にかかったのはそのうちの1匹が子猫のときに1度だけでした。
ここでは猫の膿皮症とはどんな症状でその原因となるものが何なのかをご紹介していきたいと思います。

膿皮症の原因について

猫の膿皮症の原因となる病原菌はグラム陽性コアグラーゼ産生性のブドウ球菌と黄色ブドウ球菌がほとんどといわれています。グラム陽性コアグラーゼ産生性のブドウ球菌は常に皮膚に存在する菌で黄色ブドウ球菌は6匹に1匹の割合で保菌しているようなそれほど恐ろしい菌と言うわけではありません。ただ何かの原因で菌の繁殖力が増殖したことにより免疫力とのバランスが崩れ炎症が起きると膿皮症になるようです。

表面性膿皮症とは

表皮の角質層に起こる膿皮症を表面膿皮症といいます。
2種類のタイプがあり「化膿外傷性皮膚炎(かのうがいしょうせいひふえん)」と「皮膚皺襞膿皮症(ひふしゅうへきのうひしょう)」です。
「化膿外傷性皮膚炎」は皮膚にできた傷が化膿する状態で要因としてはノミアレルギー、猫ニキビによる痒み、毛づくろい不足のため被毛内が蒸せる、多湿による菌の繁殖などがあげられます。
「皮膚皺襞膿皮症」は皮膚のシワの間に炎症が起きて膿んで膿が溜まる状態で要因としては顔の皮膚にシワができやすい品種、たとえばヒマラヤンやペルシャ、エキゾチックショートヘアなどがかかりやすいでしょう。

表在性膿皮症とは

表皮と毛包に起こる膿皮症を表在性膿皮症といいます。
タイプとしては、「膿痂疹(のうかしん)」、「表層性細菌性毛包炎(ひょうそうせいさいきんせいもうほうえん)」、「表層性拡散性膿皮症(ひょうそうせいかくさんせいのうひしょう)」、「皮膚粘膜膿皮症(ひふねんまくのうひしょう)」があります。
原因は甲状腺機能低下症やクッシング症候群、脂漏症などの疾患とされていますが、主に犬に起きるらしくほとんど猫には起こらないといいます。

深在性膿皮症とは

真皮、毛包、皮下組織に起こる膿皮症を深在性膿皮症といいます。
タイプは「深層性毛包炎(しんそうせいもうそうえん)」と「せつ腫症(せつしゅしょう)」があります。せつ腫とはおできという意味でニキビダニ症や細菌性毛包炎、皮膚糸状菌症、毛包角化不全症などにより毛包が壊され真皮の成分が流れることで発症します。よく起こる箇所は下あご、指の間、肉球、前足の先などです。
普段と違うように頻繁に足先などを舐めているようでしたら早めに獣医さんに診て頂くことをお勧めします。

膿皮症ってうつるの?

皮膚病というとそばにいたり触れると移るのではないかと心配される方もいらっしゃるのではないかと思いますが、膿皮症の場合は移りません。
膿皮症は自分の持っている菌に対し皮膚のバリア機能が低下することによって起こる感染症です。

膿皮症の治療とは?

猫の皮膚に異常を見つけたらすぐに獣医さんに診てもらうようにしましょう。
膿皮症のほとんどが他の疾患の二次感染として発症するため膿皮症とともにまずはその疾患についての治療をしなければなりません。
膿皮症と診断されたときの治療法をご紹介します。

投薬治療

膿皮症のうち表在性と深在性の場合は全身向けに抗生物質が投与されます。
期間として表在性は最低でも3週間、深在性は6週間投薬されることになります。猫の膿皮症は結構しつこい病気ですので症状が無くなっても再発防止のために1~2週間の投薬をされます。
猫によっては病状や免疫力を考慮しながら処方されます。

局所に対する治療法

表面性膿皮症の場合は皮膚の表面ということもあり患部に治療が行われます。
抗菌クリームや軟膏を患部に塗布します。また抗菌シャンプーを使用して壊死した皮膚の組織や膿を除去するのに適しています。
痒みや痛みを和らげたり血行を促進するにはクロルヘキシジンやヨウ素を含ませた温水に十数分間幹部を浸すと効果的です。

併発疾患の治療

膿皮症を発症する前に基礎疾患としてあげられるのが、甲状腺機能低下症や腎皮質機能亢進症、脂漏症、ニキビダニ症、皮膚糸状菌症、クッシング症候群、毛包角化不全症、免疫異常になります。これらの病気にかかっている場合は先にこちらの治療をします。
またこれらの病気を治療するための過剰な投薬が原因となって膿皮症を発症する場合もあるようです。

膿皮症を予防するには?

愛猫が膿皮症で苦しんでいる姿を見るのは辛いです。膿皮症にかからないための方法があるとしたら飼い主としては出来る限りの予防をしてあげたいですよね。
ここでは予防についてご紹介します。

寄生虫に対する管理

猫だけに限らず犬などの動物は体外にノミやダニといった外部寄生虫は付かないように常に気を付けてあげましょう。予防のためのグッズや薬が売っています。
また体内にも寄生する内部寄生虫がいますのでその駆除も必要です。放っておくと非常に厄介なことになります。

日常の手入れ

毎日ブラッシングをしてあげましょう。あまり過度なものは反って皮膚に炎症を起こす原因にもなりますので優しく皮膚に傷をつけないように気をつけてあげてください。
またシャンプーには細菌の繁殖を抑えるばかりでなくばい菌などの殺菌にもなりますが、頻繁にするのは避けましょう。ブラッシング同様やりすぎると皮膚にある必要な皮脂が落ちて結果的に細菌が侵入することがあります。
あとシワのある種類の猫の場合、シワの間に細菌が溜まることがあるので1日に1回はシワの近辺を拭いてあげてください。

ストレスフリー

猫の免疫力を落とさないためにも極力嫌がることは避け、心地よい環境を整えてあげましょう。

まとめ

膿皮症は直接命にかかわる病気ではありませんが、猫にとって非常に痒く苦しむことにより体力がなくなっていく病気です。
環境によっても発症するともいわれ、飼い主さんは日頃から気をつけてあげることが大事です。過度になりすぎない程度に清潔さを保ち、適度な食生活による栄養をとらせるなど猫にとって住みやすい環境つくりをしてあげたいものです。




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