自然のお薬ともいえるハーブ。様々な効能があり、ハーブティーやアロマテラピーをはじめ、料理のスパイスやサラダとしても大人気ですよね。近年の健康ブームで、より体にいいものをと自宅の庭やベランダ、室内でハーブを自家栽培している人も多いですよね♪
今回は私たちだけでなく、猫にも安全で有効なハーブを10種紹介したいと思います。
猫にも安全なハーブ10種!
キャットニップ(イヌハッカ)
キャットニップはシソ科イヌハッカ属に属するハーブで匂いはミントに似ています。欧米では料理のスパイスやサラダとしても使用されています。発汗作用、解熱作用があるので風邪をひいたとき、また安眠効果もあるので眠れない時にも有効なのでハーブティーとしても人気です。
猫にとってはマタタビと同じような効果があり、西洋マタタビとも呼ばれています。キャットニップの入った猫用おもちゃも販売されていますよね。猫がキャットニップを摂取するとキャットニップに含まれるネペタラクトンにより興奮状態になり、気分が高まり酔っぱらったような状態になりますが、キャットニップはストレスを解消したり、リラックス効果もあるといわれています。猫ちゃんが元気のない時には刺激剤にもなります。ただし与えすぎには注意が必要です。また、てんかん発作のある猫、妊娠中の猫には使用しないようにしてください。
キャットタイム
シソ科に属し可愛らしいピンクの花を咲かせるハーブです。見た目は似ていますが、タイムではありません。独特な香りを放ち猫が好きなハーブとして知られています。自家栽培する時は育つ速度が遅いので、幾つかの苗を育てることをおすすめします。
バレリアン(セイヨウカノコソウ)
オミナエシ科カノコソウ属に属するハーブです。バレリアンの根や茎には鎮静効果、安眠効果がある成分が含まれ、ハーブティーやサプリメントとして使用されています。
独特な強い香りがあり、猫が好むハーブとしても知られています。猫にとってバレリアンはマタタビやキャットニップと同じような効果があると言われています。リラックス効果もあり、また元気のない時などには刺激剤にもなります。
タンポポ
日本だけでなく世界中で古くから生薬として利用されてきたタンポポ。英語名はフランス語で「ライオンの歯」を意味する「ダンデライオン」です。タンポポの葉のギザギザがライオンの歯を思わせることから名付けられたそうです。英語でタンポポのことをダンデライオンと呼ぶのは知っていましたが、花がライオンのたてがみを思わせるからだと思っていました(笑)・・・タンポポは葉、茎、花、根の全てが体に良いとされています。タンポポには血糖値を下げたり、利尿作用があるので腎不全や糖尿病によいといわれて、また解毒作用もあるので皮膚疾患にも有効です。腎不全や糖尿病の猫にタンポポ茶をサプリメントとして利用しているひとも多いそうです。
キャッツクロー
ペルーを中心とする南米原産のアカネ科カギカズラ属に属する蔓状の樹木です。蔓に猫の爪のようなトゲが生えていることからCat’s Claw(猫の爪)と呼ばれています。ペルーの先住民の間では古くから生薬として重宝されてきました。
キャッツクローの根や樹皮に含まれるアルカロイドという成分には炎症をおさえたり、痛みを緩和する効果があり、リウマチや関節炎に有効とされており、欧米では健康食品として人気のハーブとなっています。
キャッツクローエキスを含んだ猫用のサプリも販売されています。
リコリス(甘草)
マメ科カンゾウ属に属する地中海沿岸原産のハーブです。甘みが強く、お菓子の甘味料としても使われており、欧米ではリコリス菓子として人気があります(その独特な味と香りから日本人にはあまり好まれないようですが♪)。
天然のヒドロコルチゾン(コルチゾール)といわれており、炎症を抑え、痒み・痛みを和らげる作用があります。リコリスに含まれるグリチルリチンという成分には抗炎症作用、抗ウィルス作用、抗アレルギー作用があり、関節炎や気管支炎、アレルギー症状に効果があり、また粘膜を保護する作用があるので、消化器系の潰瘍にも効果があります。
痛みや痒み、炎症を抑えるための犬猫用のサプリメントにも使用されています。
ゴールデンシール(キンポウゲ)
北米原産のゴールデンシール。ネイティブアメリカンによって古くから重宝されていました。抗菌作用にすぐれており、胃腸の働きを促進し、皮膚の炎症を抑える効果もあります。また口内炎や歯周病にも有効です。
カモミール
キク科に属するハーブです。抗菌・殺菌作用、安眠作用、リラックス効果など多くの効能があり、健康に役立つハーブとしてよく知られていますよね。
気分を落ち着かせる効果があるといわれ、ストレス解消にもよいとされ、「カナガンキャットフード」などカモミールが含まれたキャットフードも販売されています。
エキナセア(ムラサキバレンギク)
キク科に属する北米原産のハーブです。古くからネイティブアメリカンに生薬として重宝されてきました。免疫力を高める作用があり、風邪やインフルエンザの予防に効果があるといわれています。また、抗アレルギー作用もあるので皮膚炎や鼻炎にも有効とされています。葉、茎、花も使用されますが、根に特に強い効能があるといわれています。
ペット用サプリメントにも使用されています。
カレンデュラ
地中海沿岸原産のカレンデュラ。キク科に属し、和名はキンセンカです。
カレンデュラは皮膚や粘膜の再生を促進し、抗菌・抗ウィルス作用にも優れていて、肌の炎症や胃の炎症、日焼けや火傷に効果があるといわれスキンケア製品やヘアケア製品にも利用されています。また、眼病予防にも効果があるといわれています。
ペット用サプリメントやスキンケア製品にも使われています。
まとめ
ここで紹介したハーブの他にも猫に安全で健康にも役に立つハーブはまだまだたくさんありますが、ハーブの成分が凝縮されたエッセンシャルオイル(精油)には注意が必要です。完全な肉食動物である猫はエッセンシャルオイル(精油)の成分をうまく消化・吸収することができません。エッセンシャルオイル(精油)の使用は避けたほうがいいでしょう。また、猫にとって安全であってもアレルギー反応を起こす猫もいますし、持病のある猫、妊娠中の猫には有害となることもあります。使用する前に獣医師など専門家に相談することをおすすめします。
様々な効能があり、昔から生薬として使われていたハーブ。ストレス解消や気分を落ち着かせる効果もあります。上手に利用することで飼い主さんも猫ちゃんもより健康で快適なハッピーライフを送りましょう!