酸化した食品は体に良くない、老化の原因となる・・・というのを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?酸化した食品を摂取することは私たちの健康に害を与えます。そして私たちと同じように酸化したキャットフードを摂取することは猫にとっても有害で、様々な悪影響をもたらします。
大切な家族の一員である愛猫の健康を守るために、飼い主としては、新鮮でおいしい食事を提供してあげたいものですよね♪そのためにできるだけ酸化を避けるようにキャットフードを保存することはとても大切なことです。これからしばらくはまだまだ暑い日が続くので特に注意が必要です!ここでは酸化とは何なのか、酸化を防ぐにはどうすればいいのかを説明したいと思います。
「エサが酸化する」ってどういうこと?
「酸化」とは物質が空気(酸素)と結びつくことで物質本来の性質が変化することです。鉄がさびたり、切って放置しておいた野菜や果物の表面が茶色く変化するのも酸化により見られる現象です。また、酸化は私たちの体にも起こり、日焼けがシミになるのも酸化によるものなんです!アンチエイジングのためにアボカド、ベリー類、大豆など抗酸化作用のある食材が人気となっているのも体の酸化をできるだけ防いで若さを保つためだからです♪
酸化は空気に触れる時間が長ければ長いほど進みます。鉄がさびて使い物にならなくなったり、食品の味や匂いが変わって食べられなくなったりと、酸化することで物質の品質は劣化します。食品においては特に油分(脂肪分)が酸化を起こしやすいといわれていています。そしてキャットフードの多くは脂肪が主成分の1つとなっています。食品であるキャットフードももちろん酸化します。では酸化したキャットフードは猫にどのような悪影響をもたらすのでしょうか?
酸化したキャットフードが猫にとって有害な理由
キャットフードが酸化すると味や匂いが変わるので、匂いを嗅いだだけで口をつけないなど猫の食いつきが悪くなります。そして酸化することで、キャットフード本来の品質や栄養価が低下するので、摂取することで下痢や嘔吐の症状が見られたり、体に発疹がでることもあります。
脂肪は空気に触れるとすぐに酸化が始まり、酸化することで過酸化脂質に変化します。コレステロールと結びつくことで悪玉コレステロールになるので、酸化したキャットフードを摂取し続けると、血中のコレステルールが増加して血管につまり酸化することで動脈硬化の原因になったり、ガン発症のリスクを高めることにもなります。またアレルギー症状を起こすこともあります。そして老化を早めることにもつながります。
キャットフードが酸化するとどうなるの?
ドライフードは防腐剤や酸化防止剤が含まれているものが多く、水分も少ないので、ウェットフードに比べて酸化しにくいです。酸化してもあまり変化が見られないので見分けるのが簡単ではありませんが、開封したときに比べるとキャットフードの匂いが弱くなっていると感じたり、表面がベタついていて、手で簡単に潰せるほどやわらかくなっているときには酸化しているといっていいでしょう。
ウェットフードは開封と同時に酸化が進みます。匂いがおかしい、色が変わっていると感じたら酸化している可能性が高いです。
酸化を防ぐためはどうすればいい?
酸化は空気に触れると始まるので完全に防ぐことは不可能です。キャットフードを新鮮に保ち、酸化を避けるためにはできるだけ空気に触れさせないようにすることがポイントです♪
小分けにして保存する
ドライフードはタッパーやジップロックに小分けにして保存することで、空気に触れるキャットフードの量を減らすことができるので、酸化防止の効果があります。多少の手間がかかりますが、1日分ずつに分けるとより効果的です。このとき食品乾燥剤や脱酸素剤を入れることで酸化防止を高めることができます。湿気の多い場所、温度差のある場所、直射日光の当たる場所は避けて保存するように注意してください。冷凍保存にするとより効果的です。翌日分のキャットフードを前の日に冷蔵庫に移して解凍して与えるのがおすすめです。できるだけ避けて欲しいのですが、止むを得ず1ヶ月以上長期間保存する必要のあるときには冷凍保存するようにしてください。
そして注意してほしいのは冷蔵庫での保存は避けることです。これは冷蔵庫を開け閉めする度に、室内との温度差が生じることで、カビなどの原因になるからです。また、ジップロックは空気を通すといわれていて酸化防止にはあまり効果がないという意見もあるので、それが気になるようならジッパー付きのアルミ袋を利用する方法もあります。
保存容器を利用して保存する
フードストッカーなどの保存容器を利用してドライフードを保存することで酸化防止の効果があります。このときも底に脱酸素剤と入れるとより高い効果が期待できます。さらにドライフードをいれたら、その上に丸めた新聞紙やビニール袋を入れると容器内の空気を抜くことができるのでおすすめです。ドライフードの減りに合わせてその都度、なかの新聞紙、ビニール袋を押し込んで余分な空気を抜くようにしましょう。
ウェットフードは1日を目安に使い切る
水分の多いウェットフードは開封するとすぐに酸化が始まってしまいます。そのため開封したらできるだけ1日で使い切るようにしてください。数回に分けて使うときには缶がさびて酸化することでフードの酸化を促進するのを避けるため、別容器に移して冷蔵庫で保存するようにしましょう。
真空保存する
手間がかかり、割高にもなりますが、市販の真空パック器や専用の機械を使って真空保存することで空気を遮断することができ、酸化防止には一番効果的な方法です。徹底的に酸化防止に取り組みたいという方にはおすすめです。
まとめ
市販のキャットフードは開封前ならドライフードで約1年、ウェットフードはその種類によって2〜3年程度の保存が可能なものが多いですが、高温多湿な場所や日光の当たる場所に長期間放置していたりすると酸化が促進されるので、開封前でも酸化が始まることがあります。特に梅雨時には酸化が促進されるので気をつけましょう。また、賞味期限切れ間近のセール品や、キャットフードを買いだめしたときにも注意が必要です。
最近は猫の健康やアレルギー面を考えて値段は高くなるものの安全なキャットフードを与えてあげたいという理由から保存料などの添加物を含まない無添加のキャットフードや無添加に加えて、化学薬品や農薬も使用していないオーガニック(有機)キャットフードを利用する人も増えていますよね。ただし防腐剤や酸化防止剤がセーブされている無添加やオーガニックのキャットフードは一般のキャットフードに比べて酸化が早く進むので注意が必要です。
季節や室内の環境によっては酸化が思っている以上に早く進むことがあります。食べ残しなどを1日近く放置していたり、猫が食事に口をつけないときは酸化が進んでいる可能性が高いので処分するようにしてください。
前述したように酸化は空気(酸素)に触れることによって起こる現象なので、完全に防止することはできません。きちんと保存していても愛猫の健康のため、そしてキャットフードを無駄にしないようにするためにも開封したら、ドライフードは1ヶ月、ウェットフードは1日を目安に使い切るように心がけましょう!