赤ちゃんが生まれて新しい家族が増えたら今まで穏やかで甘えん坊だった愛猫が急に攻撃的になった、とても人懐っこかったのに隠れてばかりで姿を見せなくなった・・・「どうして!?」と悩んでしまうことがあります。猫はもともと知らない人や新しい環境にはとても敏感な生き物です。突然訪ねてきた見知らぬお客さんに「シャーッ」と唸り声をあげたり、前足で猫パンチしたりと攻撃的になることもあります。また愛情にも敏感です。今まで自分にたっぷり愛情が注がれ、かまってもらっていたのに赤ちゃんの誕生でその注目が赤ちゃんに移ってしまい、放っておかれて寂しい思いをしたり、嫉妬が原因で攻撃的になることがあります。
妊娠したらペットは手放した方がいいということも聞きますが、そんなことはありません。気を付けることや注意すべきことはありますが、猫と赤ちゃんが上手に楽しく安全に共同生活を送ることは十分可能です♪猫の行動や態度が変わるのには必ず理由があります。新しい家族が増えたことで今までの生活環境が変わるなか、愛猫にできるだけストレスを感じさせないようにするステップを紹介したいと思います。
妊娠中からできるコト
新しい生活環境を整え始める
猫は環境の変化にはとても敏感です。少しの変化にもストレスを感じるものです。
赤ちゃんが生まれるまでの間に少しずつ今までの生活環境を変えていくことで猫にもゆっくりと慣れていってもらうようにしましょう♪
ベビーベッドを設置したり、子ども部屋を用意したり、必要に応じて家具を移動させたりと子どもが誕生することで準備すべきことはたくさんあります。また、猫の食事場所やトイレを別の場所に移すこともあるでしょう。一度にすべてを変えるのではなく、少しずつ準備を進めていくこと、そして子ども部屋には勝手に入ってはいけないなど新しいルールに慣らしていくことで猫に与えるストレスをできるだけ少なくしながら新しい生活環境に順応していってもらいましょう。
室内を清潔に保つ
猫を飼っていると毛が抜け床に落ちたり、足についたトイレの猫砂が床に散らばったりするのは仕方のないことです。それでも衛生的に問題はないのか気になります。妊娠中は抵抗力も落ちますし、赤ちゃんに与える影響はないのか心配になりますよね。しかし、ペットを飼っていなくてもホコリや湿気など気を付けつけるべきことはあります。こまめに掃除をすればそんなに神経質になる必要はありません。空気をきれいに保つため、空気洗浄機を利用するのもオススメです。
子どもがアレルギーを発症するかは個人差もあるのでなんともいえませんが、ペットと暮らしている子どもはペットを飼っていない子どもに比べて免疫力が強く、アレルギーになりにくいといわれています♪
トキソプラズマ感染に注意する
トキソプラズマは動物の糞や土のなかに潜む原虫の一種です。人を含む哺乳類、鳥類に感染するといわれています。妊娠中に感染すると胎児に影響を与えたり、流産を起こすことがありますが、飼い猫(特に室内猫に関しては)からトキソプラズマに感染するリスクは非常に低く、とても稀なことなので過度に神経質になることはありません。猫からの感染は糞からがほとんどですが、糞を口にするなどまず考えられません。ただし、トイレを掃除するときに手に触れてしまう可能性はあるので、できるだけトイレ掃除は家族にやってもらうようにして、自分で掃除をするときにはゴム手袋を使用し、片付けたら手を洗うようにしましょう。また、24時間以内に片付けるように心がけてください。
トキソプラズマは生肉や野菜、果物からも感染するので肉はしっかりと火を通すこと、野菜・果物はよく洗うように気をつけましょう。また猫にも生肉を与えるのは避けてください。トキソプラズマは土の中にも潜んでいるのでガーデニングにも注意が必要です。妊娠中は避けたほうがいいでしょう。
赤ちゃんの声に慣れさせる
動画などを利用して普段聞き慣れていない赤ちゃんの声や鳴き声をあらかじめ聞かせてトレーニングをしておくのもいい考えです♪
赤ちゃんが生まれたらやるべきコト
赤ちゃんの匂いに慣れさせる
赤ちゃんが誕生してから初めて家に連れて帰る前に家族などに協力してもらい、ミルクや赤ちゃんのよだれのついたタオルやよだれ掛けを持ち帰り猫に匂いを嗅がせましょう。また、赤ちゃんに使うベビーローションやパウダーの匂いを嗅がせるのも有効です。事前に赤ちゃんの匂いを嗅がせることで予行練習をさせましょう♪
赤ちゃんのテリトリーを認識させる
猫が寝ている赤ちゃんに添い寝していたり、顔を舐めていたりするのを目にすると心ほっこり、和みますよね〜♡でも猫が体を掻いたり、毛づくろいをすることで毛が抜け落ちたり、フケがベッドに落ちたりします。赤ちゃんは抵抗力、免疫力が弱いのでベビーベッドに入れることは避けたほうがいいでしょう。赤ちゃん部屋には猫は入れないほうが衛生的にはいいのかもしれませんが、猫と赤ちゃんが触れ合う時間や飼い主さんが赤ちゃんに接しているのを見せるのはいいことだと思います。ただし、猫が部屋に入っていいのは誰か大人がいるときだけ、赤ちゃんが一人で寝ているときなどはドアを閉めて猫が勝手に入らないように気をつけてください。
猫のテリトリーを確保する
猫はテリトリー意識の強い生き物です。自分のテリトリーを荒らされることは強いストレスにつながります。ゆっくりと落ち着いて食事をしたり、トイレを使用できるよう環境を整えてあげてください。また、赤ちゃんが突然鳴き声をあげたりして驚いたときなどに隠れられる場所も確保してあげましょう。
赤ちゃんがハイハイやよちよち歩きを始めたら、猫の食事場所やトイレに近づかないよう注意が必要です。猫が食事や排泄を邪魔されないことも大切なことですが、それ以上に赤ちゃんの安全を守るためにとても重要なことです。赤ちゃんはなんでも口に入れてしまいます。水をこぼした程度なら大したことではありませんが、キャットフードを口に入れたり、ましてや猫の糞を口にしたら大変です!食事の準備や洗濯などで目の届かないときにはベビーゲートなどを利用して赤ちゃんが勝手に動き回らないようにしましょう。また、赤ちゃんは物を強く握るので、猫の耳やシッポを掴むと反射的に猫が引っ掻くことがあるので注意してください。
猫との時間を作る
猫が赤ちゃんに対して攻撃的な態度をとるのは、得体の知れないものに対する恐怖心とかまってもらえなくなることからの嫉妬心が原因のほとんどです。赤ちゃんが生まれるとやらなくてはならないことが山ほどあって大変なのはわかりますが、毎日少しの時間でもいいので、撫でてあげたり、遊んであげたりして猫と過ごす時間を作ってあげましょう。自分に対する愛情は変わっていないこと、赤ちゃんは危害を加えるような脅威の存在ではないことがわかると大抵の場合猫は赤ちゃんを攻撃するようなことはせず無関心になります。
まとめ
妊娠中は精神的に不安定になりやすく、いつも側にいてくれる愛猫の存在は大きな心の支えとなってくれます。また、子どもはペットと暮らすことで、命の大切さを学んだり、思いやりの心や感受性が育まれます。子どもがペットと暮らすことは最適な情操教育だといわれています。
猫と赤ちゃんが共同生活をうまく送れるのか、衛生的に赤ちゃんに影響はないのか・・・いろいろ心配になると思いますが、気を付けるべきことを知り、しっかりと安全対策をとれば問題はありません。以前と同じように、むしろ今まで以上に家族にたくさんの喜びと笑いを与えてくれるかけがえのない存在になってくれますよ♡