最近は猫を複数匹飼っているひとも増えていますよね。多頭飼いすることで、遊び仲間ができて飼い主さんが不在のときもひとりぼっちで過ごすこともなくなり、また社会性も身につきます。猫同士が遊んでいだり、グルーミングしあったり、一緒に眠っているのを目にするのは私たちの心を癒してもくれ、幸せな気持ちにしてくれますよね♪しかしその反面、心配なのは猫同士の喧嘩・・・生まれたときから一緒に暮らしている兄弟猫や親子猫ならばあまり心配はありませんが、突然新しい猫を家族に迎え入れたりするとテリトリー争いや社会性の欠乏、またただ単に気が合わないなど様々な理由から喧嘩をすることがあります。
子猫や若い猫はじゃれあったり、喧嘩をすることで社会性を身につけていくので、ただ闇雲に喧嘩を止めればいいというわけではないという意見もありますが、本気モードで喧嘩しているのに放っておいて怪我をしても大変です。ここでは猫が喧嘩をするときのサイン、見極め方、喧嘩の止め方などを紹介したいと思います♪
猫が喧嘩をするときに見せるしぐさやその特徴
「ウーッ」「シャーッ」と高い声で唸る
遊んでいたり、じゃれているときは低い声で「ウーッ」と鳴き声をあげることはありますが、比較的静かです。しかし、高い声で「ウーッ」「シャーッ」と唸り声をあげるときは相手を威嚇するとき、また相手の威嚇に対抗するとき。鳴き声が大きくなったら攻撃態勢にあります。また、怪我をしているときに近づくと同じような鳴き声を出すこともあります。
役割チェンジが見られない
子猫や若い猫がじゃれあっているのはよくある光景です。甘噛みしあったり、追いかけあったり・・・通常は追いかける側、追いかけられる側がチェンジしますが、もし一方だけが、噛み付かれたり、追いかけられていたら喧嘩している、また、いじめられている可能性もあるので注意してください。
背中を山形にして毛を逆立てている
背中を丸めて毛を逆立て、しっぽは膨らみ、耳は頭の後ろにくっつけて、頭を低くし、唸り声をあげている・・・このときは威嚇・攻撃態勢にあります。
爪を出して引っ掻く、噛み付く
猫が遊んだり、じゃれあっているときには爪を出さずにパンチしたり、噛んでいるように見えても、所謂甘噛みで怪我を負うようなものではありません。猫が爪を出して猫パンチしていたり、歯をむき出しにして噛み付いているときには喧嘩をしています。
また、じゃれているのか喧嘩しているのかわからないときに、猫の前で手を叩いて大きな音を出してみましょう。その音に猫が反応しストップしたときに片方の猫が、逃げたり、隠れたりしたら喧嘩していた可能性が高いです。このとき2匹ともキョトンとしていたらただ遊んでいただけです。
喧嘩の止め方
猫の喧嘩は優劣を決めることが目的で、片方が降参すればそれ以上喧嘩を続けることはなく、傷つけたり、命を奪うことが目的ではありません。それでも喧嘩によって怪我を負うこともあるので、ここでは喧嘩を止めるのに有効な方法をいくつか紹介したいと思います。
霧吹きで水をかける
猫は水で体が濡れるのを嫌がります。そこで霧吹きを使って喧嘩している猫に向かって水をかけることは喧嘩を仲裁するのに有効です。
椅子を猫の間に置く
喧嘩している猫の間に椅子を置くことで、猫を傷つけることなく喧嘩を仲裁できます。このとき引っ掻かれたりしないよう注意してください。
大きな音をだす
猫の前で大きな音で手を叩いたり、物を床に落として音をだす。大きな音に驚いて喧嘩が止まることで、劣勢な猫には逃げるキャンスを与えてあげることもできます。
掃除機を利用する
猫にとって大きな音をだす得体の知れない物体である掃除機。中には掃除機好きな猫もいるようですが、ほとんどの猫は掃除機が嫌いなので、掃除機の音を利用して喧嘩を仲裁するのも有効です。
お気に入りのオモチャを見せる
本気モードの喧嘩というよりも、激しくじゃれているときや軽めの喧嘩の場合にはお気に入りのオモチャを見せたり、チラつかせることで、猫の気を引くことができます。
毛布を投げ入れる
喧嘩している猫に毛布を投げ入れたり、ダンボールでお互いの視界を遮るのも喧嘩を止めさせるのに効果があります。
喧嘩を防ぐためにできること
爪を切る
爪切りを定期的に行い爪を短くしておくことで、喧嘩になったときに深い傷を負う、負わせるリスクを減らすことができます。
去勢・避妊をする
猫が喧嘩をする理由の一つにメス猫の奪い合いがあります。発情期には猫が喧嘩をすることが多くなるので、交配させて子猫を産ませることを考えていないのであればできるだけ早く去勢・避妊手術をしたほうがいいでしょう。
少しずつ慣れさせる
新しい猫を家族に迎え入れたときには先住猫が威嚇することが多いので、別室に分けて、少しずつ慣れさせていくといいでしょう。
弱い猫に逃げ場所を作ってあげる
猫を複数匹飼っている場合は猫同士のなかで優劣があり、喧嘩をすることもあれば、いじめが起こることもあります。弱い立場の猫が追い込まれて怪我を負ったりしないよう、ケージやキャットタワーなどを利用して逃げ場所を用意してあげましょう。
まとめ
猫はもともと単独行動を好む生き物です。猫にとってひとりで過ごす時間はとても大切なこと。多頭飼いすることは猫にとってストレスの原因となることも少なくありません。とくにシニア猫にとって突然新しい家族が増えることは大きなストレスとなることがあります。猫を複数飼っていてみんな仲良くしていたとしてもそれぞれが安心してリラックスできる場所を確保してあげることを忘れないでください。
知らない者同士が一緒に生活するのに慣れるには多少の時間がかかるのは私たちにとっても同じこと。喧嘩をするからとあまりイライラせず、気長に見守ってあげましょう♪また、喧嘩を仲裁したあとすぐにかまったりすると引っ掻かれたり、噛まれたりすることがあります。落ち着くまでは放っておきましょう。
ほとんどの場合は時間とともにお互いを受け入れるようになりますが、なかにはどうしても気が合わないこともあります。そのときには別室で過ごさせる、エサの場所やトイレの場所を別々にするなどして生活空間を分けてあげるといいでしょう。それでも激しい喧嘩が続くようであれば、怪我を負ったりする前に獣医師に相談するなどして対処するようにしてください。