猫の毛球症って何?防ぐためにはどうすればいいの?

毛玉

猫にとってグルーミング(毛づくろい)は自然な習慣です。毎日念入りに体を舐めて体の清潔を保っていますよね。「猫は自分で体をきれいにしてくれるのでブラッシングが楽〜♪」なんて思っているひとも多いのではないでしょうか?しかしながらいいことばかりではありません。このグルーミングという習慣が原因で被毛が体内にたまり、毛球症になることがあります!
ここでは毛球症とは何なのか?防ぐにはどうすればいいのかを紹介します。

毛球症(ヘアボール)とは!?

グルーミング

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猫にとって欠かすことのできないグルーミング。猫は普段からこまめに毛づくろいをしているので、特に注意を払うことはないのではないでしょうか?

猫は体を舐めることによって体をきれいにしているので、日常的に汚れた毛や抜け落ちた毛を飲み込んでいることになります。飲み込んだ被毛は通常、排便を通して、また吐き出すことで体の外に出されます。猫は消化できなかったものを日常的に吐き出す習慣があります。猫が吐き出すものはそのほとんどがグルーミングで飲み込んだ自身の被毛で、「ヘアボール」と呼ばれています。

しかし、多量の毛を一度に飲み込んだりすると、体につまり球状(ボール状)となり、消化器官内に溜まってしまい体外に排出することができなくなってしまうことがあり、毛球症と呼ばれています。毛球症はやはり短毛種よりもペルシャやメインクーンなどの長毛種のほうが発症しやすいといわれています。症状の軽い段階ならば、毛球除去剤を口のまわりに塗って舐めさせることで解消できますが、ひどいときには手術が必要になることもあります。イギリスのある動物病院では猫の体内から約13㎝のヘアボールが取り出されたという報告があります!

  • 吐こうとするが吐けない、吐こうとするしぐさが続く
  • 便秘が続く
  • 食欲がなくなる
  • お腹を触られるのを嫌がる

このような症状が見られたら毛球症の疑いがあります。
放っておくと毛玉状になって溜まった毛を吐き出そうとして喉につまり、死に至ることもあります。また、手術が必要になると猫の体に負担がかかるだけでなく、費用もかかります。すぐに動物病院に連れて行き診てもらうようにしましょう!

毛球症を防ぐためにはどうすればいいの?

猫にとってグルーミングは日常的に行う習慣なので、どの猫も毛球症にかかるリスクはあります。毛球症にならないようにしてあげられることをいくつか紹介します。

こまめにブラッシングをしてあげる!

グルーミング

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ブラッシングにより汚れた毛や抜け落ちた毛を取り除くことで、猫がグルーミングの際に飲み込む被毛を少なくすることができます。ブラッシングすることで、部屋に散らかる抜け毛を減らすこともできるし、なにより愛猫とのスキンシップにもなります。特に換毛期は抜け毛が増えるので念入りにブラッシングしてあげましょう。

猫用ブラシにはいろいろな種類があります。間違ったものを使うと皮膚を傷つけてしまうこともあるので、その猫種、目的にあったブラシを選ぶようにしましょう。

体を拭いてあげる

濡れタオルやウェットティッシュで体を拭いてあげることで、体の汚れや抜け落ちた毛を取り除いてあげましょう。ウェットティッシュを使用するとき注意して欲しいのは香りのあるものは使わないこと。これは猫がその匂いに反応して体についた匂いを落とそうと、必要以上に体を舐めることがあるからです。また猫が冷たいタオルを嫌がるようなら温かい濡れタオルを用意してあげましょう。

バターやオリーブオイルを少量与える

オリーブオイル

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便秘の症状がみられるときはバターを少量舐めさせたり、オリーブオイルを食事に混ぜて与えることで、便の通じをよくすることができます。ただし与えすぎには注意が必要です。小さじ半分〜1杯程度、数日間続けて様子をみてください。何の変化もみられないようなら動物病院で診てもらいましょう。また、バターを与える際には私たちが普段使っている有塩バターではなく、お菓子作りのときに利用することの多い無塩バター利用するようにしましょう。

バターやオリーブオイルなどの脂分は潤滑油として働き、便の通じをよくします。最近は猫が飲み込んだ毛玉の排出を助けるに流動パラフィンやワセリンを含んだサプリメントなども市販されているので、それらの商品を利用するのもいいでしょう。

食物繊維(ファイバー)を含んだ食事を与える

食物繊維

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便秘の解消には食物繊維(ファイバー)を摂取することも有効です。食物繊維には整腸作用があり、排便を促す効果があります。かぼちゃは食物繊維が多く含まれており、猫にも安全なのでおすすめです。茹でたり、蒸したかぼちゃをつぶしたマッシュかぼちゃをスプーン1杯程度食事に混ぜて与えるといいでしょう。このとき塩やこしょうなどの調味料は一切加えず、かぼちゃだけを使うようにしてください。

また、便秘解消や毛玉対策用に食物繊維を多く含んだキャットフードも市販されているので、それらを利用するのもいいでしょう。

猫草を常に置いておく

猫草

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ペットショップやホームセンターなどで市販されている猫草。猫草とはある一定の品種の名前ではなく、猫が好む草の総称で、いつくかの植物が猫草として販売されています。共通している点はイネ科の植物が多い、背が低く、先が尖っているものが多いということです。

猫草に興味を示さない猫もいますが、一般的に先の尖った猫草を摂取することで、胃を刺激し嘔吐を促したり、草に含まれる食物繊維を摂ることで、便の通じをよくする効果があるといわれています。猫草が異常に好きで、食べ過ぎる猫もいるので注意してください。また、突然猫草の消費量が増えたときなどは体に異常があることもあります。

運動できる環境を整える

キャットタワー

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猫は普段のグルーミングの他に、ストレスがあるときや不安なときにも気分を紛らわせよう、気分を落ち着かせようとグルーミングを行います。グルーミングの回数が増えれば、体に取り込まれる毛の量も増えます。運動不足になるとストレスがたまるだけでなく、胃腸の働きを弱めることにもつながるので毎日遊んであげる時間を確保したり、キャットタワーなどを利用して室内でも十分に運動できる環境を整えてあげましょう!

猫がグルーミングしたり、草を食べて嘔吐するのは日常的なことで異常なことではありません。そのため飲み込んだ被毛が原因で病気になることがあると知らなければ、特に注意を払うこともないでしょう。しかし侮ってはいけません!とくに長毛種やシニア猫、胃腸の弱い猫には注意が必要です。体内にたまり毛玉状になってしまいうまく排出できないことで、手術が必要となったり、食欲がなくなり栄養失調になったり、吐き出そうとして毛玉が喉に詰まって窒息して死に至ることもあります。普段からブラッシングしたり、食生活に気をつけることで愛猫を毛球症から守ってあげましょう♪

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