正常な咳の見分け方や原因・予防法とは?逆くしゃみとの違いもチェック

猫も人間と同じで、咳をします。
しかし、猫の咳は咳の種類のよって原因や対処法が異なるため、まずは飼い猫がどんな咳をしているのかを知ることが大切です。

そこで今回は、猫の咳について詳しく解説していきますので、これを機に、正常な咳と危険な咳を見分けられるような飼い主さんになってみてくださいね。

正常な猫の咳は主に3種類に分けられる!

メインクーン

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猫も咳をするといわれても、どんな風に咳をするのか、なかなかイメージが湧かない方も多いのではないでしょうか。

猫が咳き込むときは、このような音が聞こえます。


そして、正常な猫の咳は3つの種類に分けることができます。

フンフンとした咳

鼻に違和感がある時は、「フンフン」という音の咳が出ます。
このときは、口を閉じたまま咳をするのも特徴です。

また、咳をするときは四つんばいになり、下げた頭を前方に突き出すという姿勢が見られます。

ケホケホとした咳

鼻ではなく、喉になんらかの違和感があるときは「ケホケオ」という咳が出ます。
このときは、口を開け、舌を少し出ながら咳をするのが特徴です。

ゼーゼーという咳

鼻と喉の中間に違和感があるときは、咳の合間に「ゼーゼー」という音が入ります。
この場合は、気道が塞がってしまっていることも多く、痰が絡んだような音が聞こえるでしょう。

何日も咳が続く場合は要注意!


正常な猫の咳は、数秒から数分で治まることが多いものです。
しかし、飼い猫が何日も咳をしていたり、咳以外に他の症状も現れてきたりするようであれば、体になんらかの異変が起きている可能性があります。

子猫や老猫の場合は抵抗力や免疫力が低いので、長引く咳によって体力を奪われてしまうこともあるでしょう。
そのため、1~2日様子を見ていても症状が改善しなかったり、悪化してきたりするときは早めに動物病院で診てもらうようにしましょうね。

咳が見られる主な病気とは?

猫ウイルス性鼻気管炎

猫ウイルス性鼻気管炎は、別名「猫インフルエンザ」や「猫コリーザ」とも呼ばれる病気です。
2~10日ほどの潜伏期間をおいて症状が出始める猫ウイルス性鼻気管炎は、咳の他に結膜炎や口内炎、発熱などが見られるのも特徴。

一度は完治したように見えても、免疫力や抵抗力が下がったときに再発しやすいので、慢性化してしまう子も少なくありません。

猫ウイルス性鼻気管炎は、人間の風邪と同じでウイルスに直接効く薬がないため、抗生物質などを使いながら、自然治癒力を高めて治療していきます。

自宅では、脱水症状を引き起こさないために、飲み水を切らさないように気を付けていきましょう。

猫クラミジア感染症

猫クラミジアによって引き起こされる「猫クラミジア感染症」は、目に炎症が出やすいのが特徴です。
感染後、3~10日程度経ったときに片方の目が結膜炎になり、目やにが目立つようになります。

猫クラミジア感染症は特に、生後2~6ヶ月の子猫がかかりやすいとされており、症状が長引くことも多い病気です。
中には、免疫力や抵抗力が下がったときに再発し、慢性化してしまう子もいるとされています。

また、この病気は人獣共通感染症のひとつとされており、猫から人への感染報告もされているため、飼い主さんも注意が必要です。

猫エイズウイルス感染症

猫エイズウイルス感染症は、人間にはうつらない病気です。
この病気にかかっても、すぐにエイズを発症するわけではなく、中には一生エイズを発症しないまま、寿命を全うする子もいます。

ただし、発症してしまうと完治させることは難しく、肺炎や口内炎、悪性リンパ腫など、他の病気を併発しやすいのが特徴です。

猫エイズウイルス感染症は完全室内飼いをすることで防げる病気でもあるので、飼い主さんは子猫のうちから飼い方をしっかりと検討していくようにしましょう。

フィラリア症

フィラリア症は犬の病気として有名ですが、猫もかかります。
そして、猫の場合は犬よりも症状が現れ始めたときには、すでに深刻な状態になっていることが多いため、余計に危険だといえるでしょう。

フィラリア症は、フィラリアの幼虫を吸血した蚊に刺されることで引き起こる病気です。
幼虫は蚊の体内で成虫になり、蚊が猫を吸血したときに成虫が猫の体内へ侵入します。

体内に入り込んだ成虫は心臓や肺の血管に寄生し、咳や食欲不振といった症状を引き起こすのです。
フィラリア症は心臓や肺に大きなダメージを与えるため、突然ショック死してしまう子も少なくないといわれています。

悪性リンパ腫

全身のリンパ組織がガン化してしまった状態を、悪性リンパ腫といいます。
悪性リンパ腫になると咳の他に、リンパ節が腫れたり、下痢や嘔吐、食欲不振といった症状が見られたりするのが特徴です。

人間と同じで猫の悪性リンパ腫も、今の日本には治療法がありません。
悪性リンパ腫は、猫エイズウイルス感染症や猫白血病ウイルス感染症に感染していると、発症率が高くなるとされているので、まずはそうした疾患を予防することが重要になってきます。

喉の病気

咽頭炎や気管支炎といった喉の病気にかかっているときも、猫は咳をします。
この場合は猫も喉に痛みを感じるため、食欲不振になってしまうことも多いのです。

気管支炎の場合は、咳をした後に吐くような素振りが見られ、咽頭炎はよだれが増えます。

こうした病気はウイルス感染だけでなく、タバコの煙を受動喫煙してしまうことでも発症するとされているため、普段から猫の傍でタバコを吸わないように気を付けましょう。

また、おもちゃの誤飲によって喉に傷がついたことから気管支や咽頭炎が引き起こされてしまうケースも多いので、自宅でおもちゃの管理をしっかりと徹底することも大切です。

心疾患の可能性も

心筋症や先天性心疾患を患っている場合も、咳が見られるようになります。
猫の心臓病は飼い主さんが気づきにくいという特徴があるため、異変に気付いたときにはすでに重篤な症状になっていた…というケースも少なくありません。

心臓病を患っている猫はチアノーゼが見られたり、少し運動しただけで息切れが見られたりします。
ですから、飼い主さんは遊びの最中に、飼い猫の様子をこまめに観察することも大切です。

咳と間違えやすい「逆くしゃみ」

咳と間違われやすいのが、猫の「逆くしゃみ」です。

逆くしゃみは「咽頭絞扼反射」や「発作性呼吸」と呼ばれており、大きな音を出しながら繰り返し息を吸い込もうとするのが特徴です。

一見、咳と同じように見えますが、肋骨が膨らむときに鼻の奥から「グーグー」という音が出ます。
ここを見極めることができれば、通常の咳との見分けもつきやすくなるでしょう。

逆くしゃみが引き起こされる原因はまだ詳しく解明されてはいません。
しかし、「鼻の奥の違和感を取り除こうとしているのではないか」という説が一番有力なようです。

こうした逆くしゃみを見ると、飼い主さんは「病院へ連れて行った方がいいのだろうか」と思うかもしれませんが、ほとんどの場合は自然に治るとされています。

しかし、逆くしゃみが長引く場合や頻繁に見られる場合は注意が必要です。
副鼻腔炎を患っていたり、鼻や喉の奥に腫瘍ができていたりといった可能性も考えられるので、一度かかりつけの病院で相談してみてくださいね。

猫の咳を予防するためには?

ワクチンを接種させよう

ウイルス感染症が原因となる咳の中には、ワクチンで予防できるものもあります。
例えば、ウイルス性鼻気管炎やフィラリア症はワクチンでの予防が可能な病気です。

完全室内飼いをされている飼い主さんの中には、ワクチン接種が必要ないのでは?と考えている方もいるかもしれません。
しかし、猫自身が外へ出て行かなくても、飼い主さんの服や体についたウイルスが原因で、病気に感染してしまうケースも多いのです。

だからこそ、完全室内飼いという飼育法を選んでいるとしても、猫の体を守るためにワクチン接種はきちんと行ってあげましょう。

肉や魚が主原料のキャットフードを与えよう

咳を予防するためには、まず病気にかかりにくい体をつくることも大切になってきます。
そのためには、栄養価の高いキャットフードで免疫力をアップさせていきましょう。

特に、子猫のうちから栄養価の高いキャットフードを与えれば、丈夫な体を作ることができます。
猫は人間よりもタンパク質を重視する動物だからこそ、肉や魚が主原料(パッケージの一番初めに記されており、フードに一番多く入っている原料のこと)のキャットフードを与えてあげましょう。

いつもと違う咳は要注意!


猫の正常な咳は、長引くことが少ないものです。
そのため、飼い猫が長期的に咳をしていたり、息苦しそうにしたりするときは、なんらかの原因があるサインだといえるでしょう。

危険な咳を見極めるには、まず飼い主さん自身が「猫の正常な咳」を知っておくことが大切です。
また、できるだけの予防策をとりながら、飼い猫の健康を守っていけるように努力してみましょうね。

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