最近は猫ブーム効果もあり、猫を完全室内飼いするおうちが増えてきています。
そのため、飼い主さんの中には、お外へ自由に出られる飼い猫を完全室内飼いに変更したいと思っている方もいるのではないでしょうか。
しかし、お外をなわばりにしている猫を完全室内飼いにするときは、問題もたくさんあります。
今回は、猫の気持ちを含めながら完全室内飼いへの変更法を詳しくご説明いたしますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
完全室内飼いはメリットがたくさん!
猫を完全室内飼いすることには、さまざまなメリットがあります。
まず、お外へ自由に出られる猫に比べて室内飼いの猫は、交通事故に遭う確率がグっと減るといえるでしょう。
猫が事故に合うのは、都会のような交通量が多い場所だけではありません。
人間からしてみればのどかに見える田舎でも、猫は交通事故に遭ってしまうことがあるため、注意が必要なのです。
また、お外へ自由に出られる猫は感染症にかかることも少なくありません。
野良猫の中には感染症を抱えながら生活している子もいます。
感染症はこうした感染済みの猫と喧嘩をしたり、交尾をしたりすることで移ってしまうことも多いものです。
そのため、飼い主さんが気づかないうちに飼い猫が感染症にかかってしまっていたというケースもあるので気を付けましょう。
交通事故や感染症は、飼い猫を完全室内飼いすることで防ぐことが可能な場合も多いものです。
そのため、完全室内飼いで得られる最大のメリットは、飼い猫の寿命を延ばせることだといえるでしょう。
外の世界は猫にとってなわばりの一部!
メリットがたくさんあるということを知ると、今すぐにでもお外で飼っている猫やお外へ自由に出られている飼い猫を完全室内飼いしたくなりますよね。
しかし、そのためには愛猫の気持ちを汲み取ったうえで、飼育環境を変更させていかなければなりません。
お外へ自由に出られる猫や、お外で暮らしている猫にとっては、外の世界もなわばりの一部になっています。
そのため、完全室内飼いをしてしまうと、飼い猫はなわばりを確認できないせいで、ストレスを感じてしまうことも多いのです。
猫にとってなわばりは、自分の存在を示せる場所であり、安心感を得られる場所でもあります。
だからこそ、人間の都合だけを優先して完全室内飼いを行ったり、飼い猫の気持ちを考えない対策法をとってしまうと、問題行動を引き起こしてしまうケースも少なくないのです。
外へ出す頻度を減らす対策法は効果なし!
お外の環境に慣れている猫を完全室内飼いにしたいと思った方の中には、お外へ出す頻度を徐々に減らそうと考えている方もいるのではないでしょうか。
けれど、実はこの対策法では思うような効果を得られません。
頻度を減らしたとしても外になわばりを持っている猫は、外の世界に出るたびに自分のなわばりを再確認してしまいます。
そのため、いつまでたっても室内のなわばりを確認するだけでは満足してくれなくなるのです。
また、時々散歩をさせるという対策法も飼い猫になわばりを意識させてしまったり、再確認させてしまったりするため、あまり効果的ではないといえるでしょう。
飼い猫の飼育環境を変えるには、徐々に生活環境を変化させていくのではなく、なわばりをリセットさせることが大切なのです。
飼育環境の変更は引越しを活用しよう!
外になわばりを持っている飼い猫の飼育環境を変えるのに一番効果的な対策法は、引っ越しを活用することです。
引越しをすれば、猫も新しい土地でなわばりをつくらなければならなくなります。
知らない土地へ行けば、猫が慣れ親しんだなわばりをリセットさせることができるので、完全室内飼いに変更させやすくなるのです。
その際は、新しい引越し先では絶対に猫を外に出さないように心がけましょう。
せっかく引越しをしても、再び飼い猫を外に出してしまうと、お外に新しいなわばりを作ってしまうため、意味がなくなってしまいます。
そのため、引っ越し先ではおうちの中だけを飼い猫のなわばりにできるように、脱走防止策を練るなどの対策も行っていきましょう。
スプレー行為に注意しよう!
猫の中には完全室内飼いをさせはじめると、スプレー行為をする子もいます。
スプレー行為とは、においの強いおしっこを壁や柱にかけることで自分の存在を示すマーキング行為のことです。
スプレー行為で出される尿は普通の尿よりもにおいが落ちづらいので、掃除をしっかりと行いましょう。
猫の尿のにおいを消すには熱湯消毒をしたり、クエン酸や酢、ミョウバンなどを使用して、においを中和させたりするのが効果的です。
また、スプレー行為を防ぐためには発情期を迎える前に去勢手術をしておくことも大切だといえるでしょう。
発情期の猫は異性を求めて脱走を試みたり、お外の世界に興味を示したりすることも多いものです。
だからこそ、去勢手術を行えば、飼い猫が外へ出て行ってしまうリスクを減らすこともできます。
完全室内飼いに変えるには根気が大切に!
飼い猫を完全室内飼いに変更するときは、飼い主さんの根気も必要になります。
特に、長年お外で生活をしていた猫の場合は室内飼いに慣れられず、時には「お外へ出たいよ」と鳴きわめくこともあるでしょう。
こうした訴えを聞いたり、窓の外を眺めている飼い猫の姿を見ていたりすると、心苦しくなってしまいます。
しかし、こうした時でも完全室内飼いは飼い猫の命を守り、寿命を延ばすために大切なことなのだと自分に言い聞かせなければなりません。
完全室内飼いに慣れさせるには、飼い猫を絶対に外の世界へ出さないようにすることが何よりも重要です。
飼育環境の変更は飼い猫だけでなく、飼い主さんの心にストレスを与えてしまうこともあるので、根気を持って取り組むようにしましょう。
焦らずに飼い猫のペースに合わせながら完全室内飼いに慣れさせていくことができれば、猫も必要以上の負担を背負わずにすむはずです。
完全室内飼いにするときは飼い猫のストレスにも配慮しよう
お外は危険が多い分、猫に与える刺激も多いものです。
木に登ったり、生きている虫を捕まえたりすることで猫は楽しさを感じたり、ストレスを解消したりしています。
そのため、飼育環境を完全室内飼いに変更するときは、飼い猫の心を満たせるような配慮をしてあげることも大切になってくるのです。
室内は安全だからこそ、刺激が少なくなります。
お外の環境に長く慣れて生きた猫の中には、刺激の少なさからストレスを感じてしまうことも多くなるでしょう。
こうしたときは、飼い主さんが積極的に飼い猫と遊んであげることで、刺激を感じさせてあげましょう。
ただし、お外の中で遊んできた猫の中にはなかなか猫用のおもちゃによい反応を示してくれない子もいます。
そうした飼い猫の興味を惹くには、さまざまな猫用おもちゃを試してみて、食いつきのよさをチェックしていくことも大切だといえるでしょう。
また、飼い主さんの中にはなかなか猫と遊ぶ時間を取れないという忙しい方もいるかと思います。
そんな方は電動のおもちゃに頼ることで、飼い猫によい刺激を与えてみましょう。
電動おもちゃは規則的な動きをするものだと飽きられるのが早くなってしまうため、不規則な動きをするものがおすすめですよ。
完全室内飼いへの切り替えは長い目で見守ろう
猫は人よりも家になれる動物だといわれています。
そのため、飼育環境を変更するときは慣れてくれるまでに時間がかかってしまうこともあるでしょう。
そんなとき飼い主さんにできるのは、長い目で温かく飼い猫の順応力を見守っていくことです。
少しでもストレスフリーな状態で「室内飼いも悪くない」と思ってもらえれば、猫もおうちの中のなわばりだけで満足してくれるようになるでしょう。
現在、外飼いから完全室内飼いを目指している方はぜひこれを機に、愛猫の気持ちを汲み取りながら対策を練っていきましょうね!