【欠乏or過剰摂取にも要注意】ビタミンは猫にどんな影響を与えているの?

食べる猫

猫にとって、ビタミンは欠かせない成分です。
しかし、どうして猫にとってビタミンが必要なのかということや、ビタミンはどう猫の体に作用するかよく分からないという方もいるのではないでしょうか。

今回は、そんな飼い主さんのために猫にとってビタミンはどんな働きをするのか、分かりやすくご説明いたします。
飼い猫に手作りごはんを作ろうと思っている方は、ぜひ必読してみてくださいね♡

ビタミンはどんな役割をしてくれるの?

酸化

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タンパク質や脂肪は、猫の体の中でエネルギー源になってくれる成分です。
エネルギー源は体を動かすもとにもなるので、生きていくために欠かせません。

しかし、ビタミンはエネルギー源になるのではなく、新陳代謝に深く関係している成分です。
また、ビタミンは種類も豊富で、摂取するビタミンによって効果が猫に与える影響が変わってきます。

ビタミンの中には、猫の体内で作れず、食べ物によって摂取しなければならないものもあるので、飼い主さんはビタミンの種類や与える影響について知っておくとよいでしょう。

【種類ごとに解説】ビタミンが猫に与える影響とは?

ノルウェージャン

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ビタミンAは目のビタミン

ビタミンAは主に、目に大きな関わりがあるビタミンです。
牛乳や卵黄に含まれているビタミンAは網膜細胞の健康に保ったり、目の色素を作り出しています。

また、皮膚や粘膜といった上皮組織を作り出す「上皮細胞」を増やして多くす役割も兼ねているのです。

そんなビタミンAが欠乏すると、目に影響が表れることも少なくありません。
代表的な病気は、普通なら暗く感じる程度の暗闇でもまったく物が見えなくなってしまう「夜盲症」が挙げられます。

さらに、角膜が乾燥する「角膜乾燥症」という病気も欠病症として有名です。
また、ビタミンAが不足すると、骨や歯が発育不全になってしまったり、上皮細胞がケラチンという物質により、硬くなってしまったりします。
そして、オス猫は精子をうまく作れなくなることもあり、目だけでなく、骨や生殖器にも影響が出るのが特徴です。

そんなビタミンAは逆に摂取しすぎてしまうと、骨に疾患が現れたり、歯周病が引き起こされたりします。
妊娠中のメス猫の場合はお腹の子に奇形が生じたり、死産になる確率も増えたりするので注意が必要です。

ビタミンCは摂取させなくてもOK

人間にも馴染みのあるビタミンCは、サプリなどで猫に摂取させる必要がないビタミンです。

猫は人間と違って、体の中でビタミンを作り出すことができます。
さらに、ビタミンC摂取しすぎても尿で排出されるので、体に害を与える心配は少ないとされています。

しかし、あまりに摂取させすぎると下痢や嘔吐の原因になったり、尿路結石ができやすくなるという説もあるので、注意しましょう。

ビタミンDは骨のビタミン

穀類に多く含まれているビタミンDは、骨格や歯を作り出すのに欠かせません。

骨に大きな影響を与えるビタミンDは、子猫のような成長期の猫にとっては特に大切なビタミンだといえるでしょう。
さらにビタミンDは小腸の中でカルシウムやリンの消化を促してくれます。

そんなビタミンDが欠乏すると引き起こされるのが、「くる病」。
くる病は骨にカルシウムが溜まりすぎてしまうことで起こる病気で、筋肉痛のような痛みが現れたり、筋力の低下が見られたりするのが特徴です。

また、骨のビタミンであるビタミンDは摂取させすぎると、歯や顎の成長が妨げられることもあります。

少し前まで猫は、日向ぼっこで日の光を浴びながら光合成をし、ビタミンDを作っているといわれていました。
しかし、猫はビタミン D を作るために必要な「7-デヒドロコレステロール」という物質をわずかしか持っていないため、その説はあまり現実的ではないといえるでしょう。

だからこそ、ビタミンDはサプリやキャットフードなどを使って、補っていくことが大切です。

ビタミンEは生殖ビタミン

生殖機能に深い関係があるビタミンEは、主に穀物やレバーなどに含まれています。
また、ビタミンEは、ビタミンAとも深い関わりがあるのが特徴です。
ビタミンEには、ビタミンAを活性化させたり、消化器官内や細胞の中にあるビタミンAが破壊されたりするのを防ぐ役割があります。

そんなビタミンEは欠乏すると、オスとメスで違った症状が現れます。
オスの場合は精巣がうまく育たなかったり、精子がつくられにくくなったりという症状が見られるでしょう。

対してメス猫の場合は、卵巣がうまく成長しなかったり、骨格筋がうまく動かずに筋ジストロフィーが引き起こされたりする場合もあります。

さらに、血液の循環が悪くなるため、妊娠中の場合はお腹の中の子に悪影響を及ぼしてしまう可能性も高いので注意が必要です。

ビタミンKは血液のビタミン

ビタミンKには血液を固める役割があります。
主にホウレンソウなどの緑葉野菜やレバーに含まれているビタミンKは、血液が固まるときに必要な「プロトロンビン」という物質を作り出すことを促してくれるため、血液のビタミンとも呼ばれているのです。

また、骨折したときに治癒力を高めるといった働きもあるため、骨にも大きな関係があるビタミンだといえるでしょう。

そんなビタミンKが欠乏すると、血液が固まりにくくなります、
そのため、ちょっとした怪我でも出血がなかなか止まらなくなってしまうので注意が必要です。

ビタミンKは、腸に疾患を抱えている場合に必要となることも多いので、獣医さんと相談しながらサプリメントを与えるなどしていきましょう。

ビタミンB1は食べ物から摂取させよう

猫はビタミンB1を体の中に蓄積することができないので、毎日摂取させる必要があります。
ビタミンB1は、炭水化物をエネルギー源に変える働きを持っているので、猫の健康に必要な栄養素だといえるでしょう。
そのため、市販されているキャットフードには、ビタミンB1がきちんと含まれています。

そんなビタミンB1は、調理のときに分解されやすいのが特徴なので、手作りご飯で補いたいときは注意が必要です。
また、貝や生魚はビタミンB1を分解する酵素を持っているため、生のまま口にさせないようにしましょう。

猫は、人間や犬よりも多くのビタミンB1を必要とします。
だからこそ、欠乏すると食欲不振や体重の減少、神経障害といった症状が現れるので気を付けていきましょう。

ビタミンB2は細胞の健康を維持

ビタミンB2には、細胞を増やして多くする働きがあります。
さらに、レバーや卵に含まれているビタミンB2には、タンパク質をエネルギーに変換してくれる役目も。
また、皮膚の健康維持にも役立ってくれるので、被毛を美しく保ってあげるためにも大切な栄養素です。

そんなビタミンB2が欠乏すると、目やお腹に異変が現れます。
白内障の症状が見られたり、お腹周りの皮膚に異常が現れたりしたときはビタミンB2が不足しているサインかもしれないので、一度病院で相談してみるのもおすすめです。

タウリンは網膜に影響を与える

タウリンは猫の網膜に関係がある成分で、体内で作り出すことができないからこそ食事で補ってあげましょう。
さらに、タウリンは胆汁を作り出すときに関係が合ったり、消化を助ける働きも持っています。

そんなタウリンが欠乏すると、網膜に障害が起こり、最悪の場合は失明してしまうこともあるのです。
さらに、タウリン不足から拡張型心筋症が引き起こされることもあります。

網膜を形成してくれるタウリンは、妊娠中や授乳中のメス猫にも必要な成分です。
タウリンはカツオや牛肉・鶏肉などに多く含まれているので、いつものご飯にプラスしてあげるのもよいでしょう。

ビタミンを飼い猫の健康維持に役立てよう!

シニア猫

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ビタミンには、様々な種類があり、猫の体に与える影響にも違いがあります。
飼い猫の健康を維持していくためには、まず飼い主さんがビタミンの役割を知ることが大切です。

ぜひこれを機に、猫の栄養素についても関心を持てるような飼い主になっていきましょうね。

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