ペット海外輸送で困らないために!猫の海外渡航手順まとめ

仕事や家庭の事情などで、長期間海外に行かなければならない場合、ペットはどうしたらいいのでしょうか?筆者自身も、オーストリアのウィーンに2匹の猫を連れて渡航した経験があるのですが、周りに経験者がおらず相当苦労したので、今後ペットと海外に行かれる方のために、海外渡航に関する手続き方法をまとめました!

ペットを連れての海外渡航について

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まず、渡航手続きの話に入る前に、確認していただきたいことがあります。

海外渡航は長期ですか?

渡航期間についてですが、1週間や10日程度の海外渡航であれば、ペット同伴の渡航はお勧めしません。海外渡航は環境・気圧・気候などの変化が激しく、ペットにとっては非常に負担が大きく、ストレスにつながりますので、本当に連れて行くほうが良いのか、渡航期間とペットへのストレスを天秤にかけて、よく検討してください。また、日本で指定の検査をしていない場合、入国から半年以上たたないと出国できない場合もありますので、注意が必要です。

海外渡航中、国内の一時預かり先がありませんか?

渡航期間の長さに関わらず、国内に預かり先が見つかった場合は、預けたほうが安心ともいえます。もちろん飼い主さんと一緒にいることが、ペットにとっては一番安心かもしれませんが、渡航先によっては長時間の移動や検査などで、大きな負担がかかります。シニア世代は特に負担がかかりやすいので、預かり先があれば、預かってもらうことをオススメします。

持病はありませんか?

年齢にかかわらず、持病がある子は海外渡航は避けたほうがいいでしょう。獣医に相談し、問題ないことが分かれば渡航は可能ですが、航空会社によっては機内持ち込みが不可の場合もあり、渡航中に何かあっても気づけないなどのリスクがあります。人間でも負荷のかかる海外渡航ですので、持病があるペットとなれば、負担の大きさは想像できますよね?また、海外では日本と同じ治療や投薬ができるとは限りませんので、持病がある子は、できる限り一時預かり先を探すようにしましょう。

渡航ステップ①「マイクロチップの装着」

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今では迷子防止なのどの目的で、すでに装着されている方も多いですが、国際標準化機構(ISO)11784及び11785に適合するマイクロチップの装着が義務づけられています。未装着の場合はまず装着が必要になります。

渡航ステップ②「狂犬病予防接種」

ペットを連れての海外渡航準備で一番時間がかかるのが、「狂犬病予防接種」です。「え?!猫なのに狂犬病予防接種?」と思った方も多いと思いますが、動物検疫所の定めにより、接種していない場合は日本国内から出国できません。また、狂犬病予防接種は2回接種する必要があり、2回目の接種までに、30日以上間隔を開ける必要があります。さらに入国する国によっては3種混合ワクチンの接種が必須などの場合もあります。その場合は、狂犬病予防接種と同時に接種できないため、さらに時間が必要になります。

また、短期間で日本に帰国する場合は、狂犬病の抗体検査も必ず実施しましょう。抗体検査を日本国内で行わず、短期間(180日以内)で帰国した場合、動物検疫所での待機期間が発生しますので、帰国してもペットだけ動物検疫所に待機することになってしまいます。狂犬病抗体検査は、検査結果が2年間有効ですので、渡航期間が未定の場合は、必ず受けるようにしてください。私はこの検査を怠り、結局半年で帰国することになってしまったため、海外の検査機関で検査して、日本入国の許可をもらいました。海外での手続きは、日本でやるより複雑なことが多いので、日本出国前に実施されることをオススメします。予防接種を受ける際に、獣医さんに相談してみましょう。

渡航ステップ③「入国条件の確認」

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予防接種と同時並行で行いたいのが、渡航先でのペットの入国条件です。渡航先の国によっては、日本での予防接種以外に必要な証明書の提出を求められる場合がありますので、必ず入国先の大使館に確認してください。私はオーストリアへ入国だったのですが、「獣医師のサイン入りの健康診断書」を求められました。こちらも予防接種を受ける際にお願いすれば、ほとんどの獣医さんは作成してくれると思いますので、相談してみましょう。そのほかは、日本に検疫所で発行してもらう輸出検疫証明書があればいいとのことだったので、比較的簡易的なものでした。入国先によって、必要書類は異なりますので、入国条件は必ず確認してくださいね。

また、忘れてはならないのが、使用する航空会社のペット持ち込み可否です。私の利用したオーストリア航空は、客室内への持ち込みも1名につき1匹まで許可されていたので、機内でも常に一緒に過ごすことができました。特に空いていた時期だったので、ほかのお客様の迷惑にならないようにと、3席も使用されていただき、非常に快適でした。ただし、混雑時は常に膝の上に抱えないといけないので、ちょっと大変です。航空会社によっては、客室内への持ち込みは不可で、客室内と同じように空調等が整備された専用の荷室に入ることがあります。荷室は飛行中は乗務員しか入室できませんので、ペットの様子を見ることはできません。こちらも必ず確認しておきましょう。

渡航ステップ④「申請書の提出」

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上記準備が整ったら、出国する空港の検疫所に連絡しましょう!ほとんどの検疫所が事前申請を受付けており、書類の不備などがあれば、丁寧に教えてくれます。必要な書類は指示してくれますが、

は必ず準備しておきましょう。その他必要な書類は出国検査までに準備できていれば問題ないことが多いです。受付けは、FAXまたはメールで可能です。最近ではNACCS(動物検疫関連業務)で利用登録すれば、WEB上でも申請できますので、自分に合った方法を選んでください。筆者はNACCSを使用したことがないので、良し悪しはわかりませんが、私はいろいろ聞きたかったので、直接担当者に質問できるメールを選びました。電話での問い合わせも受付けているので、出国当日に不備があって大慌て!なんて事のないようにきっちりと準備していきましょう!

渡航ステップ⑤「輸出検査」

いよいよ出国です!出国の輸出検査は、チェックイン後に行う必要があります。ステップ④でご紹介した事前準備の際に、書類が整ったら、当日の検査時間の連絡がありますので、指定された時間までにチェックインし、チケットをもって検疫所に向かってください。私が利用したオーストリア航空は、チェックイン時にペットの機内持ち込み料金を支払ったので、その領収書も必要になりました。検疫では、マイクロチップの確認や、触診、書類の作成などが行われ、1時間ほどで完了します。書類は事前に確認してもらっているので、あれよあれよという間に終わります。検査官からは、最後に質問等も聞いてくれますので、当日のペットの体調などで不安なことがあれば、相談するものいいと思います。

渡航ステップ⑥「帰国」

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様々な手続きを経て、出国・海外滞在となりますが、日本に帰国する際も、手続きが必要になります。日本で出国の検疫を受け、証明書を受理している場合は、以下の手順が必要になります。

  • 帰国40日以上前の事前届出
  • 滞在国での検査・証明書の発行
  • 日本での入国検査

事前届出は、出国時同様、メールでも受付けてくれますので、申請書を到着する空港の検疫所に事前にメールで送付し、確認してもらいましょう。内容に不備がなければ、「受理証明書」が発行されますので、帰国の検閲までに印刷して大切に保管してください。受理証明書が発行されたら、滞在国での検査をしましょう。猫の場合は獣医による狂犬病の検査が必要となります。日本が指定する内容を含んだ証明書が必要になりますので、動物検疫所が用意しているフォームを動物病院に持参するといいでしょう。(FormA:飼い主が記載/FormC:獣医が作成)書類の作成が終わったら、輸出国政府機関の「裏書証明」が必要になりますので、FormAとCをもって、滞在国の動物検疫期間に持参してください。検疫期間は大使館等で確認できます。

さぁ、日本についたら、検疫所で検疫を受けましょう。検疫時には上記でそろえた書類のほか、「狂犬病抗体検査の結果通知書」「輸入検査申請書(猫)」が必要となりますが。抗体検査は出国時の検査から2年以内かつワクチンの有効期限が一度も切れていなければ、出国時の通知書で大丈夫です。

ここまでいろいろとご説明してきましたが、時間に余裕をもって、きちんと事前準備をすれば、何も難しいことはありません。大切なペットと海外で暮らすなんて、ちょっと憧れですよね?もし、海外渡航でペットを連れて行こうか迷っている方がいたら、参考になると嬉しいです。

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