慢性腎臓病薬の投薬結果も!2017年の下半期に新たに判明した猫情報7選

ペルシャ

医学や研究が発展すると、動物の生態や病気の原因・対処法などが明らかになってくるものですよね。
最新の情報を手に入れることは、大切なペットの命を守ることにも繋がります。

今回は、2017年の下半期に明らかになった猫の新情報をいくつかピックアップいたしましたので、ぜひチェックしてみてくださいね。

1.ついに証明!早すぎる親離れが問題行動の原因に

「子猫をあまりにも早く母猫から引き離すと、その後、人や他の猫に対して攻撃的になってしまう」という指摘は、日本でも最近になって徐々に浸透してきているものです。

現に、日本では産まれてから7週間経っていない犬や猫は引き渡せないというルールが動物愛護法によって定められています。

しかし、フィンランド・ヘルシンキ大学の獣医生物学部チームが行った研究により、新たな新事実が判明。
母猫と子猫を引き離すタイミングは14週齢以降がよいのではないかという研究結果が発表されました。

チームが行った実験は、オンライン上でフィンランド内に暮らす猫の飼い主やブリーダーへアンケート調査を行い、母猫と引き離す「離乳の時期」と成長後の問題行動の繋がりを調べるというもの。

すると、生後8週齢で母猫と引き離された子猫は、生後12~13週齢で引き離された子よりも、見知らぬ人への攻撃性が多いという結果が明らかになりました。

さらに、生後12~13週齢で引き離された子は、14~15週齢で離された子よりも、過剰グルーミング(必要以上に自分の体を舐める行動のこと)を行う確率が高くなったそうです。

また、生後12週齢未満で引き離された子に関しては、同じく14~15週齢の子と比べて、見知らぬ人への攻撃性や飼い主さんが問題だと感じる行動が多くなっていたとのこと。

こうした研究結果を踏まえ、フィンランドの調査チームは子猫と母猫を引き離すタイミングは生後14週齢以降にすべきであると結論づけています。

そのため、動物に関する法律は今後、大きな見直しが必要になるでしょう。

2.鼻ぺちゃは「水頭症」の原因になることも

ペルシャ

鼻がつぶれたペルシャは、古くから人気がある猫種です。
しかし、ドイツにあるユストゥス・リービッヒ大学のギーセン獣医科学部のチームはペルシャの鼻ぺちゃは水頭症の原因になるという調査結果を発表しました。

チームが行った調査によれば、ペルシャの中でも極端な鼻ぺちゃである「ピークフェイス」とよばれる子たちは骨の奇形や上あごの不正咬合、顎前突症(受け口)、脳室拡大、脳ヘルニアなどといった病気を引き起こしやすいのだそう。

そして、ピークフェイスの極端なぺちゃ鼻は頭蓋骨の形を変形させているため、水頭症を引き起こしている可能性も高いと結論づけました。

こうした疾患は極端な鼻ぺちゃを持たない「ドールフェイス」と呼ばれるペルシャには少ないことから、チームはピークフェイスのペルシャを産みださないような解決策が必要だと訴えています。

3.湿布の取り扱いは慎重に!

湿布

炎症を和らげるために、人間用の湿布には「フルルビプロフェン」という成分が含まれているものがあります。

しかし、このフルルビプロフェンが猫の中毒を引き起こす原因になることが、カリフォルニア州サンディエゴで行われた研究で明らかに。

実はフルルビプロフェンによる猫の中毒症状は2015年にアメリカ食品医薬品局(FDA)によって報告されており、腎不全や消化器不全で死亡した猫の症例が公開されていました。

しかし、今回の研究では、飼い主が使用していたフルルビプロフェン入りの塗り薬を舐めたことで中毒症状になってしまった猫の症例が報告されたため、塗り薬だけではなくフルルビプロフェンの湿布も猫にとって危険だと判明したのです。

飼い主さんが湿布を貼ると、いつもと違うにおいに誘われて、猫が舐めてしまうこともあるかもしれませんので、湿布の取り扱いや管理には十分注意しましょうね。

4.猫伝染性腹膜炎に希望の光が!?

コロナウイルスが体内で突然変異することで起こる「猫伝染性腹膜炎」は、致死率がとても高い病気です。

現在の医学では治療法がないため、歯がゆい思いをしている飼い主さんも多いかと思いますが、そんな難病にも希望の光が見え始めました。

なぜなら、台湾の中央研究院が中心となった最新の研究によれば、「ジフィリン」という物質が猫伝染性腹膜炎に対して、高い抗ウイルス作用を持っている可能性が高いことが判明したからです。

今回の調査は、まだ細胞レベルでの話ですし、マウスには副作用が見られなかったというだけなので、実用段階に至るまでには、まだまだ時間がかかるかもしれません。

しかし、治療法がないといわれていた猫伝染性腹膜炎への対処法が発見されたという事実は、猫を飼っている方にとっては明るいニュースだといえるでしょう。

5.猫はグルメって本当だった!

キャットフード

猫は人間とは違って、甘みが感じられません。
しかし、なぜかおいしいものが分かる「グルメ家」な子は多いものです。
その理由が、フランスとイギリスが行った共同研究で解明されました。

研究によれば、猫は甘さや辛さ、酸っぱさ、しょっぱさ、苦さといったものとは別の第六の味、「うまみ」に対して人間よりも敏感に反応しているのだそう。

人間が感じれるうまみ成分は、Lグルタミン酸とLアスパラギン酸という2種類だけだとされていますが、猫が感じとれるうまみは少なくても6種類あることが確認されました。

こうした事実が明らかになれば、猫がグルメだといわれるのも納得できるような気がしますね!

6.慢性腎臓病薬「ベラプロストナトリウム(ラプロス®)」の投薬試験結果は?

ベラプロストナトリウムは、東レ株式会社から発売されている猫の慢性腎臓病治療薬です。
今回明らかになったのは、鳥取県の動物臨床医学研究所を中心としたチームによるベラプロストナトリウムを使った投薬試験の結果。

結論からいえば、ベラプロストナトリウムには腎臓病を完治させる力はありません。
しかし、病気の進行を遅らせる効果は期待できるそうです。

チームによれば、主だった副作用も見られなかったとのことですが、調査期間が半年と短いため、長期的に服用し続けたときの副作用は、まだまだ未知数だといえるでしょう。

しかし、猫にとって慢性腎臓病は身近な病気でもあるため、今後の調査結果に期待が高まっています。

もしかしたら、いつの日か、ベラプロストナトリウムが慢性腎臓病の治療薬として積極的に使われる日も来るかもしれません!

7.犬VS猫!本当に賢いのはどっち?

アメリカのテネシー州にあるヴァンダービルト大学の研究者が大脳皮質にあるニューロン数を調べたところ、犬は5億3000万のニューロン、猫は2億5千万のニューロンを持つことが明らかになりました。(人間の場合は160億~210億ほど)

研究者によれば、犬は猫よりも多彩な表情をうまく使い分け、人間の感情をコントロールしているそう。
こうしたことを踏まえ、猫よりも犬のほうが賢いという研究結果が発表されました。

しかし、あくまでもニューロンの数は知性を計るひとつの判断材料であるため、必ずしも猫の知性が劣るとはいいがたいとのこと。

そのため、今後は違った視点から犬と猫の知性の高さを調べる研究も始めるかもしれません。

飼い猫を取り囲む環境は日々変化している

ペットも家族の一部だという認識が広まりつつある近年は、動物の生態や病気に関する研究も進んできています。

現代では難病だといわれている病気も、近い将来に有効な治療法が見つかるかもしれません。

飼い猫の命を守るためにも、ぜひ猫に関する最新ニュースをこまめにチェックする習慣をつけてみましょうね。

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