最近よく耳にする「多頭飼育崩壊」という言葉。となりねこでも何度となく取り上げてきています。記憶に新しいのが、ザ・ノンフィクションの「犬と猫の向こう側」ではないでしょうか。多頭飼育崩壊で増えてしまった犬や猫を保護する動物保護団体「犬猫みなしご救援隊」の代表、中谷百里さんの活動を目にして、何かできることはないのかと感じたかたは多かったと思います。
改めて考えてみると、犬猫に関して法律で決められていないことが多く存在します。例えば多頭飼育崩壊についても、何匹犬や猫を増やそうとも、劣悪な環境で育て命を奪ってしまっても罪に問われることはないです。なので、「多頭飼育崩壊」が起きてしまう前に事前に防ごうとしても難しいのです。しかし、この多頭飼育崩壊問題を受け、名古屋市がある条例を制定する方針を示しました。それは“一定数以上”の猫や犬を飼う場合届け出を義務づけるというものです。この条例が施行されたら猫を取り巻く環境はどの様に変わっていくのでしょうか?
なぜ名古屋市で“多頭飼育”届け出条例を制定するのか?
なぜ名古屋市がこのような条例の制定を考えたのかには、1つの多頭飼育崩壊問題が関係しています。
その問題は名古屋市の北区にある市営住宅で起こりました。住宅内ではたくさんの猫が飼われていたようで、近所に住む人が悪臭被害などを訴えていました。ここに住んでいたのは40代の女性。市営住宅はペット禁止だったそうですがこの女性は2017年2月に飼っていた猫を連れて入居し、直後から異臭がするなどの苦情が相次いでいたそうです。女性の部屋から動物愛護センタ-が保護した猫の数はなんと、42匹。女性の部屋退去期限の日に裁判所職員が立ち会った際、室内から新たに3匹の猫が見つかったそうで、保護された猫は45匹となりました。
この猫たちは2012年から2018年にかけて増えたと女性は話しているそうで、栄養失調状態の猫はおらず、ほとんどに名前を付けて覚えていたそうです。室内は異臭がすごかったそうですが、猫には傷や異臭はなかったそうで、女性が猫を好きだった事がよくわかります。多頭飼育崩壊は猫好きの人が陥りやすいといいます。
この猫たちは名古屋市動物愛護センターが保護しました。先に保護されていた42匹の中に妊娠している猫が居たそうで2匹の子猫も生まれたそう。すべての猫が検査され、健康に問題はないということで不妊手術などをして新たな飼い主を捜すそうです。名古屋市はこの問題を重く受け止め、今回の条例の施行を目指しています。
犬猫多頭飼育“一定数以上”届け出義務条例とは?
今回名古屋市が施行しようとしている条例は、一定数以上の猫や犬を飼う場合の届け出についてです。一定数とはどのぐらいの数なのかというと、計10匹以上の飼育を軸に調整するそうです。そして来年度の施行を目指します。
この条例が施行されて、届け出を義務付けても届け出を出さなかったり、飼っている猫が子猫を生んでその分を届け出ていなかったとしても特に罪に問われるわけではありません。なので、実際多頭飼育崩壊してしまう人は届け出自体をしないのではないかという声もありますが、この条例が出来ることによって「多頭飼育崩壊」がいろんな人に認識されるようになれば、それだけで多頭飼育崩壊の予防にもなるように思います。
カワイイだけではない、猫の特徴を考えよう!
昨今猫ブームでたくさん猫が注目されています。それはうれしさの反面、怖さもあります。猫はかわいいことはかわいいですが、可愛いだけではありません!一緒に暮らしていると、猫中心の生活になってしまうので、猫に振り回されてる?!と感じることだってたくさんあるんですよ。まずはその事をしっかり知っておくことが大切です♪
糞尿のにおいがくさい
私は、猫を飼う前に長年、犬を飼ってきたので猫の糞尿のにおいには驚きました!特に尿は強烈なアンモニア臭でトイレ掃除をする時ににおいが強烈で鼻がツンとすることもあります。また、猫はトイレが上手な生き物ですがストレスや環境の変化で粗相をすることもあります。ベットやカーペットに尿をかけられたら、においを取るのは本当に苦労します。においが取れず廃棄しなければいけなくなることもあります。多頭飼育崩壊になると近所の人が悪臭で気付くというのに納得できます。
爪とぎの習性がある
これも犬にはなく猫にだけある習性ですが、猫は爪とぎをしますよね♪「やるぞー!」と気持ちが高ぶっているときなどにするそうですが…猫によっては、ソファーやカーペット、気に入った素材だったらバックや靴などにも爪とぎをするので、大切なバックや靴、買ったばっかりのソファーがすぐにボロボロになってしまうこともあります。
高いところや狭いところが好き
猫は高いところや狭いところが大好きなので、思いもよらないところにスルスル入ってしまうことも多々あります。また、犬を飼っている人には信じられないかもしれませんが、高いダイニングテーブルなんかにも普通にのぼることが出来るので、食事の時テーブルの上に猫が居るということが当たり前になってしまいます。猫に食事をとられないように気を取られてゆっくり食べれない!なんてこともあるんですよ。
繁殖能力が高い
意外と皆さんが知らないのが猫の繁殖能力の高さです。猫は1年に3~4回出産することができ、妊娠期間は約2か月。出産後に子猫が離乳する約2か月で次の妊娠が出来るようになります。1回の出産では4~8匹子猫を産み、1匹の猫が1年間で20匹以上に増えることが可能といわれています。繁殖能力の高い動物といって真っ先に猫を思い出す人は少ないと思いますが、猫はこんなにも繁殖の応力にたけている動物なのです。避妊・去勢が殺処分の猫を減らすことにつながるというのが分かりますね。
今回名古屋市が決めた条例は猫好きの人の中ではかなり話題になっていますね。多頭飼育崩壊を起こしてしまう人は猫好きの人が多いということは、動物保護団体「犬猫みなしご救援隊」の代表、中谷百里さんも話していました。猫好きだからこそ、猫を飼い育てていたのだと思いますが、結果的に猫を増やし飼えなくなってしまっているので元も子もありません。きちんと猫の性質を理解し、多頭飼育崩壊にならないためにも、今回名古屋市が一歩踏み出して、“多頭飼育の届け出の義務化”を進めていくことはとても素晴らしいことだと思います。