血統書付きの猫種は、雑種の猫とは違って理想とされる形がしっかりと決められているのが特徴です。
そのため、猫種ごとに決まったボディタイプがあります。
しかし、猫についてあまり詳しくない方や、今まで雑種の猫しか飼ったことがない場合は猫のボディタイプを見ても、イマイチピンとこないことも多いのではないでしょうか。
そんな方のために今回は、猫種を交えながら猫のボディタイプを分かりやすくご説明していきますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
純血猫のボディタイプは全部で6種類!
純血猫のボディタイプは、全部で6種類に分類することができます。このようなボディタイプで純血猫を分けるのは、猫種ごとの特徴やチャームポイントを守るためにも大切なことです。
猫種ごとの特徴を守っていくことは、その猫種の生存を確保していくことにも繋がります。
猫のボディタイプは頭部の形や骨格だけでなく、筋肉の付き方や足の長さなども含めて決められているのがポイントです。
こうした基準は、キャットショーでの出陳区分としても活用されているため、ブリーダーは理想的なボディタイプに近づけられるように育種を進めていきます。
猫のボディタイプを詳しくご紹介!
コビータイプ
コビータイプは胴体が短く、肩や腰の幅が広く見えるのが特徴です。
全体的にがっしりとした印象を与えるコビータイプは、人間でいう「ずんぐりむっくり体型」なため、シルエットに丸みを感じさせます。
また、立ったときの足から頭頂までの高さ(体高)が体長とほぼ同じだというのも、コビータイプならではです。
そして、コビータイプの頭部や足先は丸みを帯びており、尻尾も短めであることが理想とされています。
そんなコビータイプとして代表的なのが、低めの鼻が愛くるしい「ヒマラヤン」や「ペルシャ」、「エキゾチックショートヘア」です。
他にも、長毛種の代表でもある「チンチラ」や、シャムとの交配により誕生した「バーミーズ」もコビータイプとして人気を博している猫種だといえます。
セミコビータイプ
セミコビータイプはコビータイプよりも、胴体や手足、尾が少し長めなのが特徴です。全体としては、コビータイプのようにがっちりとした体つきをしていますが、体高が体長よりもやや長くなっています。
また、手足の先の丸みも、コビータイプほど大きくはありません。
そんなセミコビータイプの代表は、長年猫好きさんから愛されている「アメリカンショートヘアー」です。
さらに、近年人気を博している「スコティッシュフォールド」や、胴長短足な体型が可愛い「マンチカン」もセミコビータイプに分類されます。
他には、ブルー御三家としても名高い「シャルトリュー」や、真ん丸なお顔が特徴的な「ブリティッシュショートヘア」、漆黒の被毛が美しい「ボンベイ」、小さな妖精とも呼ばれる小型猫「シンガプーラ」も、セミコビータイプの代表です。
オリエンタルタイプ
オリエンタルタイプは、全体的にスリムな体つきをしており、くさび型の頭部をしています。
肩幅も他のタイプより狭く、しなやかで長い手足と、ムチのような尻尾が見られるのも、オリエンタルタイプならではの魅力だといえるでしょう。
そして、体つきが6種類のボディタイプの中で一番スリムなオリエンタルタイプは、大きな耳を持っているのも特徴です。
そんなオリエンタルタイプの代表は、国内外で根強い人気がある「シャム」です。
また、シャムを元にして作りだされた「オリエンタルショートヘア」や、トルコの山岳地帯で自然発生した「ターキッシュアンゴラ」、巻き毛が特徴的な「コーニッシュレックス」、青い瞳が印象的な「バリニーズ」も、オリエンタルタイプを代表する猫種だといえます。
セミフォーリンタイプ
セミフォーリンタイプに分類される猫たちは、コビータイプとオリエンタルタイプの中間くらいの、やや細身な体型をしているのが特徴です。
頭部はコビータイプと同じように丸みがありますが、形がオリエンタルタイプのようなくさび型をしています。
そして、筋肉が発達しているボディタイプでもあるので、抱き上げた時にずっしりとした重みを感じるでしょう。
セミフォーリンタイプとして代表的なのは、カールした耳が特徴的な「アメリカンカール」です。
さらに、野生的な見た目が印象的な「エジプシャンマウ」や甘えん坊な性格が愛おしい「オシキャット」もセミフォーリンタイプとして有名な猫種です。
そして、世界中でも頭数が少ない「ハバナ」も、セミフォーリンタイプに分類することができます。
フォーリンタイプ
フォーリンタイプは全体的に骨格が細いので、スリムな印象を与えるでしょう。
胴体が長く、スマートに見えるのもフォーリンタイプの特徴ですが、オリエンタルタイプほどスリムではありません。
また、フォーリンタイプは見た目に反して、筋肉質な体つきをしているので、抱きかかえたときにずっしりとした重みも感じさせます。
さらに、フォーリンタイプは逆三角形の頭部と長い手足を持っているのも特徴です。
一説では、暖かい地域で暮らしやすいよう、スリムな体型になったといわれているため、「南国タイプ」と呼ばれることもあります。
そんなフォーリンタイプの代表は、ティッキングが美しい「アビシニアン」です。
さらに、鈴を鳴らしたような美しい声で鳴くことでも有名な「ソマリ」や、短い尻尾が特徴的な「ジャパニーズボブテイル」、グレーの被毛が美しい「ロシアンブルー」といった猫種もフォーリンタイプに含まれています。
ロングアンドサブスタンシャルタイプ
ロングアンドサブスタンシャルという言葉には、「長くてがっしりとした」という意味があります。
その分類名が示す通り、ロングアンドサブスタンシャルタイプとして分類される猫種は、胴体が長くて、がっちりとした体型をしています。
そのため、他の猫種よりも体が大きい、大型の猫種がこのタイプに分類されているのです。
また、他の5種類のボディタイプに当てはまらない猫種も、ロングアンドサブスタンシャルタイプに分類されます。
そんなロングアンドサブスタンシャルタイプの代表猫は、人気がジワジワと出始めている「ノルウェージャンフォレストキャット」です。
さらに、ノルウェージャンフォレストキャットと似ているところの多い「メインクーン」や、水遊びが好きな「ターキッシュバン」、ぬいぐるみのように大人しい猫種として有名な「ラグドール」、ヤマネコの血を受け継いだ「ベンガル」といった猫種も、ロングアンドサブスタンシャルタイプだといえます。
また、プーチン大統領から「ミール君」が送られたことがきっかけで、注目を浴びるようになった「サイベリアンフォレストキャット」も、このタイプに含まれますよ。
ボディタイプを知ることで、悪徳ブリーダーを回避しよう☆
純血猫のボディタイプを詳しく知っておけば、悪徳ブリーダーを避けることもできます。ペットブームともてはやされるイマドキは、悲しいことに、目を覆いたくなるような悪質ブリーダーも存在しています。
そうした悪徳ブリーダーは繁殖数を重視するため、理想的なボディタイプを産みだすことにあまりこだわりを持っていません。
だからこそ、猫種ごとのボディタイプがしっかりと守られていたり、猫種らしいチャームポイントをきちんと産みだせていたりするようなブリーダーを選ぶことで、健康的な子を譲り受けることができます。
ぜひ純血猫を飼ってみたいと思っている方は、自分が気になっている猫種のボディタイプを覚えて、ペットショップやブリーダーを判断する材料にもしてみてくださいね。