喫煙者は要チェック!電子タバコって猫の体に悪影響を与えるの?

タバコ

禁煙や分煙が話題になっている近年では、一般的な紙のタバコから電子タバコに切り換える人も多くなってきました。
しかし、愛煙家の中には「電子タバコって猫の体にいいのか分からない…」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、紙のタバコが与える危険性も含めながら、電子タバコが猫の体にどんな影響を与えるのかを詳しくご説明していきます。
ぜひこれを参考に動物にも優しい愛煙家になれるよう、努力していきましょう。

そもそも一般的なタバコは猫の体に害を与えるの?

タバコ

タールやニコチンが入っている一般的なタバコは人間だけでなく、猫の体にも悪影響を与えます。
そもそもタバコの煙は、喫煙者が直接吸い込む「主流煙」と、火の付いた先から立ち上る「副流煙」の二種類に分けられます。

この副流煙を、自分の意志とは関係なく吸ってしまうのが「受動喫煙」です。
副流煙には、主流煙よりも2.8倍のニコチン、3.4倍のタール、4.7倍の一酸化炭素が含まれています。

こうした受動喫煙は、特にペットにとって深刻な問題となっており、アメリカの研究では人間の5~6倍も影響を受けることが解明されているのです。
その理由は、タバコの中に含まれるニコチンやタールなどの有害物質は空気中よりも、カーペットやフローリング、壁などに多くついてしまうからだといわれています。

また、猫はペットの中にでも、特にタバコの影響を受けやすい動物だといえるでしょう。
猫はグルーミングで自分の体を綺麗に保つという習性を持っているため、体についたタバコの有害物質を、自ら体内に取り入れてしまうのです。

タバコの煙による具体的な健康被害とは?

猫がタバコの煙を吸うと、がんやアレルギー、目の炎症、喘息などといった病気を引き起こされやすくなります。
実際に、1日1~19本のタバコを吸う喫煙者の飼い猫は、そうではない猫よりも口の中に発症する「扁平上皮ガン」にかかるリスクが4倍もあがるという研究結果もあるのです。

そして、このような悪性腫瘍を招くだけではなく、タバコの煙は心臓や呼吸器、皮膚にも影響を与えるため、遺伝性疾患を持っている猫の前では絶対に使用しないことが大切だといえます。

また、アメリカでは、生活の中で動物に害を与える物質の情報を提供している「ASPCA(Animal Poison Control Center)」という団体が正式に「タバコは猫にとって有害な物質である」と発表しています。

同じく、アメリカにあるタフツ大学が行った研究によれば、「5年以上副流煙をし続けた猫は、猫白血病(FeLV)になる確率が2倍になる」といったデータも報告されているそうです。

ちなみに、タバコに含まれる有害物質は猫だけでなく、犬や鳥の体にも害を与えます。
例えば、犬の場合は鼻の長さによって発症する病気が異なるのが特徴です。

具体的に、鼻ペチャの犬種は肺がんの発症率が高くなり、コリーやシェパードといった鼻の長い犬種は、鼻腔ガンにかかる可能性が2倍になるといわれています。

そして、鳥は動物の中でも特に、副流煙を敏感に感じ取りやすいため、呼吸器や皮膚に刺激を与えてしまう可能性があるともされているのです。

電子タバコは安全なの?

電子タバコ

電子タバコは紙のタバコのように、ニコチンやタールなどを含んでいないため、猫の体にも悪影響を与えないように思えますよね。
そもそも電子タバコは、香料を含んだ液体(リキッド)を電気で熱することで、水蒸気を発生させ、喫煙を楽しむものです。

しかし、このリキッドの原料が、猫の体に深刻な被害を与える可能性が高いとされています。
電子タバコのリキッドは「プロピレングリコール(PG)」と「植物性グリセリン(VG)」という原料で作られています。

PGやVGは人間の化粧品や食品添加物としても使用されているので、一見安全なように思えますが、猫の命を脅かします。
PGは、猫の体には大きな悪影響を与えるため、2009年にはペットフード安全法により、キャットフードへの使用が禁じられるようにもなりました。

猫はPGを摂取し続けると中毒症状に陥り、「溶血性貧血」という病気を引き起こすこともあります。

溶血性貧血とはどんな病気?

黒猫

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溶血性貧血とは、血液中の赤血球が破壊されることで、全身に酸素がいきわたらなくなってしまう病気です。
そうなると酸欠状態になってしまうので、運動を嫌がったり、食欲不振になったりします。

また、口の中の粘膜が蒼白になる、黄疸が見られるようになる、尿の色が赤茶色になるといったことも、溶血性貧血を見極めるチェックポイントだといえるでしょう。

軽度の溶血性貧血は、数週間ほどの内科的治療で改善することもありますが、1ヶ月以上治療を続けても治らない場合は手術によって脾臓を取り除いたり、輸血を行ったりしなければなりません。

そして、溶血性貧血になった猫の中には、合併症により胆石ができてしまう場合もあるので、体に大きな負担を与えてしまうでしょう。

溶血性貧血はPGを長期的に摂取し続けたときだけではなく、タマネギを口にしてしまったときにも引き起こされるので、併せて注意しておくのがおすすめです。

PGフリーの電子タバコなら吸っても大丈夫?

トリビア

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電子タバコの中には、PGフリーやMAX VGと書かれているものもあります。
こうしたタバコなら、猫の体に害を与えないような気がするため、目の前で吸っても大丈夫だろうと思う方もいるかもしれません。

しかし、PGフリーやMAX VGと記載されていても、実際には少量のPGが含まれていたり、香料がPGから作られていたりするものもあるので、猫の近くでは使用しないようにしましょう。

また、好奇心が旺盛な子猫などは、香りに誘われてリキッドに興味を示してしまうこともあります。
そのため、電子タバコを吸うときは猫がリキッドを舐めてしまわないように、十分注意しましょう。

タバコを吸うときにすべき猫への配慮とは?

1.ベランダや猫が立ち入らない部屋で吸う

家族の一員である猫のことを真剣に考えるのであれば、目の前でタバコを吸わないだけではなく、家の中で吸う習慣を改めましょう。
例えば、タバコを吸うときはベランダに出る癖をつけるのもおすすめです。

ベランダで吸えば、カーペットや壁などに有害物質を付けてしまう可能性が下がるため、猫の健康を守ることができるでしょう。

ただし、最近では喫煙者の服についたタバコの煙は「三次喫煙」として人間に害を与える可能性があるという指摘がされているので、猫の体にも悪影響を与えるのではないかという意見もあります。

2.キャットウォークやキャットタワーを設置しよう

タバコから出る有害物質は、下へ溜まるという特徴があります。
そのため、キャットウォークやキャットタワーを部屋の中に設置して、有害物質が行き渡らない高い場所で猫が過ごせるよう、配慮してあげることも大切です。

しかし、この方法だとカーペットや壁につく有害物質の量を減らすことはできないので、万全な対処法だとはいいがたい部分もあります。

3.禁煙は一番の対処法に

タバコは年々値段が上がっていますし、電子タバコも値が張ります。
そのため、これを機に思い切って禁煙を頑張ってみるのもよいでしょう。

「自分の力では、なかなか禁煙できない」という方は、禁煙外来に通ってみるのもおすすめです。
禁煙外来なら、ニコチン依存症になってしまっている方も専門のお医者さんから自分にあったアドバイスをもらうことができます。

また、補助薬を使って禁煙をしていけば、自分の力だけで頑張るよりも成功率が上がるはずです。
タバコはストレス解消には必要なものかもしれませんが、「百害あって一利なし」ともいわれているので、ぜひこれを機に自分とペットの体を大切にしてあげましょう。

タバコとの付き合い方を再検討してみよう

猫と人間

紙のタバコだけでなく、電子タバコも猫にとっては健康を脅かす危険なものです。
飼い猫の寿命は日々のお世話や生活環境によって、大きく変わってきます。

大切な命を預かっているからこそ、まずは飼い主さんがタバコとの付き合い方を再検討し、自分と愛猫の健康を守れるようにしていきましょう。

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